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球形手回し洗濯器について

2013年11月 2日 (土)

「ジェット洗濯機」と「ゼロ戦パン焼き器」が広報に載りました

 こんにちは、まゆこです♪

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 当館で所蔵している、戦後面白グッズの代表選手ともいうべき資料2点が、山梨県中央市の「広報ちゅうおう・文化財と歴史を訪ねて」の記事で紹介されています。

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 2013平成25年8月号No.90では、昭和三十年代後半になぜか山梨県下でひろく使用されていた球形の手回し洗濯器、「ジェット洗濯機」の謎に迫っています。その出自と使用実験結果についても詳しく紹介しています。

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 2013平成25年11月号No.93においては、戦後間もなく大ヒットした調理器具で、通称「ゼロ戦パン焼き器」ともよばれる道具についての記事です。パン焼き器になぜ三菱のスリーダイヤが刻印されているのか、その謎を解き明かします。また、むかしこのパン焼き器でつくったおいしいパンの思い出をもとに、パンの試作にも挑んでいますよ。

 しかし、この二つの道具は、共通して文字による資料が少ないことが特徴です。実際に使ったことのある人が存在しており、なつかしぃ~と皆おっしゃるわりに、情報量が少なく、どのように購入したか、いくらだったか、どう使ったかなど、不明なことが多いのも事実です。 

 ですから、読者への情報提供呼びかけで、この二つの記事を結んでいます。

 Dsc_1215「ジェット洗濯器」
Dscf5177「ゼロ戦パン焼き器」
 ひきつづき、皆様からの「クルクル回して使った洗濯器」と「なつかしいパン焼き器」の情報をお待ちしております。よろしくお願いいたします。

 広報「ちゅうおう」の記事は、PDF版で、山梨県中央市のホームページからもご覧いただけますよ。 みてね!

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まゆこ

2013年7月 5日 (金)

ジェット洗濯器の取扱い説明書

こんにちは、まゆこです。

「家庭生活の文化的改善は先ず洗濯から」(ジェット洗濯器説明書内キャッチコピーより)

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このジェット洗濯器については、山梨日日新聞とYBSラジオさんで報道してくださったおかげで、本当にたくさんの方々から様々な情報をいただき、新たに2人の方からも貴重な資料のご提供をしていただきました。 感謝いたします。

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なかでも、山梨市の藤原さんが寄贈してくださった、取扱い説明書付きで新品同様のジェット洗濯器は、YBSラジオ番組内で実際に洗濯をすることができました。これで社会科見学でやってくる子供たちに、正確な使用方法や使用実感などを伝えることができます。

 また、お目にかかることはないとあきらめていた使用説明書の入手により、ジェット洗濯器の驚くべき高性能を知ることとなったのです!

今回は、その知られざるジェット洗濯器の能力についてお伝えします。(ちなみに、性能における感動ポイントはあくまでもまゆこ視点によるものです。)

ではまず、

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使用方法の 1 から読み始めてまずびっくりしたのは、洗濯器の側面に塗布された示温塗料によって、洗濯する布の種類に合わせた湯温を目で確認できるようになっていたという事実です。説明書には「黄色が50℃で橙色に、赤色が70℃で暗紫色に変色します」と書いてあります。 すごーい!!

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そして、ふたは蓋だけの機能にあらず!この洗濯器の真髄である膨張圧力洗浄法をなすための重要なパーツであることのみならず、なんと、脱水機能をも持ち合わせるものであったとは! 「洗濯物の一部を指でつまみ蓋で押さえて出せば洗濯液が絞れます・・・・」とのこと。 わぁー感動する!!

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そしてまゆこ的感動ポイント極めつけの3つ目は「ドライクリーニングも出来ます」ということです。 すごすぎる! 恐るべし、ジェット洗濯器の能力です!

この取扱説明書もジェット洗濯器とあわせて展示いたします。ぜひご覧ください。

ご注意≪以下、まゆこのきみ(ジェット洗濯器)への思い込み語り。いらない人はスルーして下さい≫

思い起こせば4月のはじめ、展示室の電気洗濯機の隣で、ふたが無くてあんぐりと口を大きく開けたまま天井を見つめていただけのきみが。なんかしゃべりたそうだったんだよねぇ。まゆこはなんか気になってしょうがなくて「ちょっとあんた、ひっくりかえっておしりみせなさいよ」と思わず声をかけちゃった。

そうしたら、群馬の生まれで、眞木産業という会社でつくられたことがわかったんだ。

その後、新聞できみのふたを探していることを知った親切な人々が、まゆこの知らなかったきみのことをいろいろ教えてくれたんだ。うれしいねぇ。

きみのふたはゴムでできていた。昭和38年にきみの働く姿を実演販売でみて感動し、1,200円で買った日のことを昨日のことのように話してくれたおばあさんもいた。きみはアパートで暮らしていた若いころのおばあさんのシーツを洗うのにずいぶん活躍したそうだよ。そのほか、きみのことは山梨県中の人々が忘れてなんかいなかった。たくさんのひとが電話をくれたよ。

そして、ゴムのふた付きのきみを寄贈してもらったんだが、ゴムが50年の時を経て劣化し、膨張圧力洗浄が試せないとラジオで話すと、今度は未使用のきみが取扱説明書付きで存在することがわかった。それだけでなく、親切で優しいその持ち主さんが「あるべき場所にきみがいることが大事だ」といってくれて、豊富郷土資料館に寄贈してくれたんだよ。

世の中なんてすばらしい人ばかりなんだ!

ジェット君、きみのおかげだよ!

愛すべき君の存在は、電気洗濯機が普及するまでのたった10年足らずのまぼろしの洗濯器にあらず!

山梨の人々の昭和の記憶に確実に存在していた。そして、平成のいまの人々をつないでくれた。きみのことは資料館職員が責任を持って平成生まれの子供たちに伝えていくからね。

ありがとう!

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2013年6月 2日 (日)

ジェット洗濯器の全貌が解明されました

Photo 先ごろから山梨日日新聞やYBSラジオで、報道していただいた手回し洗濯機の全貌がわかりました。というのは、山梨市の藤原さんから、本日電話があり、ラジオ放送で話していた洗濯機と同じものが、箱入り、新品同様の状態で所有していること、しかも、取扱説明書があるとのこと。さっそく、写真と説明書をメールで送っていただきました。取扱説明書には細かな説明があり、しかも、どのくらいのものが洗えるか、脱水の方法まで書かれています。報道関係の皆様、また、藤原さんに感謝感謝Photo_2 です。これで、子供たちが社会科見学で来ても、説明ができます。ありがとうございました。

2013年5月24日 (金)

「ジエット洗濯器」という名の球形手回し洗濯機

こんにちは、まゆこです。

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平成25年5月16日に豊富郷土資料館所蔵の球形手回し洗濯機について、ふたがなくて残念なことを書きました。

そうしたら、それを見た山梨日日新聞の記者さんが取材に来て下さり、『洗濯機のふた、ありませんか?』という見出しで、平成25年5月22日(水)の記事で紹介してくれたのです!

おかげさまで、新聞の反響とはすごいもので、掲載当日の開館直後に、ふた付きの手回し洗濯機を持ってきてくれた方がいたのです。

その後も、山梨県内の牧丘・身延・甲府の湯村から、ふた付きで使える状態のものをお持ちの方から連絡が入りました。その他にも、この洗濯機が特許を持つ「膨張圧力式洗浄法」という原理でつくられたアメリカ製のものを持っているという方や「最近ホームセンターで似たようなものを買って持っているので見せてあげる」など、県内外からありがたい連絡を多数いただきました。

ありがとうございます。

そして、皆様からの情報提供のおかげで、新たな事実発見がたくさんありました。

まずは、「どんなふたであったのか?」という謎については・・・・・ジャンっ!

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ゴム製のふたでした。ゴムを貫通して取っ手の金具が取り付けられています。

ふたの裏はこんな感じです。

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もうお気づきですか? そう、ふたは洗濯漕である球体の中にあって、本来、球体の外には出せない構造になっていたのです!!

→ 劣化していないゴム製のふたは、球体の中と外をその柔軟性により出し入れできる構造になっていました。(「ジェット洗濯器」取扱説明書入手により判明・平成25年6月5日現在)

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洗剤と湯をいれた後、球体の中でゴム製のふたの取っ手を持ち、口から取っ手を引っ張りだすようにして、キュッと栓をしたようです。

以前紹介した際には、球形手回し洗濯機のパイオニアであるカモメホーム洗濯器の資料を参考にして、ふたの形状を考えていたので、わが館所蔵のMAKI産業のものが、ゴム製のふたで、しかも球体の中から取り出せない構造になっていたとは、知りませんでした。

「ゴムであるために劣化してボロボロになり、球体の口から出てしまって、取っ手の金具だけ残っている」という方もいらっしゃいました。

また最近、ネットオークションでカモメホーム洗濯器を買ったという方が、資料館にもってきてくださったので、並べてみました。

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左が当館所蔵のMAKI産業のジエット洗濯器、右が林製作所のカモメホーム洗濯器です。

カモメホーム洗濯器のふたは、コックを回転して閉めるようになっています。

そして不思議なことに、ご連絡いただいた山梨県内の所有者は、すべて真木(MAKI)産業製「ジエット洗濯器」でした。いまのところ、50年位前の購入でカモメホーム洗濯器の方はいません。

群馬県桐生市でつくられた「ジエット洗濯器」はどのような販売経路で山梨県内に売りさばかれたのか? 新たな疑問に頭を抱えていたところ、すばらしい連絡が入り、なんと、購入時の値段と経緯、使用した記憶を語ってくださいました。

「50年位前、(昭和38年頃・1960年代)に購入し、1200円だったと記憶しています。韮崎の学校に勤務していたら、そこへ売りに来たので、須玉(現山梨県北杜市)に住んでいた男性と2人が購入しました。アパートに住んでいて、シーツを洗ったことを憶えています」とのこと。箱も保管してあり、いまでも使える状態だそうです。

この方の話では、訪問販売形式で売られたようですね。販売者は群馬県からやってきたのでしょうか?いづれにしても、山梨県中を販売者がまわって、そのメタリックな人工衛星がクルクルまわる様と洗浄力を実演し、それを見て感嘆し、購入した人々の様子が目に浮かぶようです。

時は東京オリンピック直前、まさに映画「三丁目の夕日」の世界を想像します。

新聞を見て連絡をくださったみなさま、ほんとうに貴重な情報提供ありがとうございました。

今回、22日開館直後にジエット洗濯機を持ってきてくださり、当資料館にご寄贈くださった飯室義友さんには、深く感謝いたします。

飯室様寄贈の、ふた有り「ジエット洗濯器」はメンテナンス終了後、展示いたします。

ゴムでキュッとふたをした、球形手回し洗濯機のキュートな姿をご覧になってくださいね♪

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2013年5月16日 (木)

球形手回し洗濯機

こんにちは、まゆこです。

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豊富郷土資料館常設展の水にまつわる道具コーナーに、鈍色に輝くふしぎな球体が展示されています。

残念ながら蓋がないのですが、ご覧になって記憶されている方もいらっしゃるでしょう!?

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この球体の洗濯機は、昭和32年(1957年)以降に発売され、日本全国で一時期大量に出回ったものの、昭和30年代末には売り上げがしぼみ、わずか10年足らずで姿を消した、まぼろしの洗濯機です。その独特な宇宙未来的な形は、冷戦時代のソ連が世界初の人工衛星(スプートニク)の打ち上げに成功したことに、影響を受けたためだといいます。昭和三十年代マニア(?)の方々には「スプートニク型」と呼ぶ人もいるとか。

使い方は、「球体に乾いたままの洗濯物を詰め込み、洗剤を溶かした熱湯(80度)を注ぎ込む。急に熱湯が布の芯まで浸透するので洗剤がよく効く。ゴムパッキン付きの蓋をコック回転で締め上げて器体を密閉する。残留空気が熱湯で膨張して球体内は高圧化する。20秒ほどハンドルで回転させる。気圧が高まる。コックを廻してふたを開けると急な減圧でポンと音を発するのでポン洗濯機とも呼ばれた。濯ぎは湯を入れ替えて蓋をして回転、を繰り返す。湯量は洗濯物を浸すだけの分量なので節水になり、洗剤も少なくて済む」(『水の道具誌』山口昌伴 岩波新書 2006 より)

最初に発売したのは、群馬県高崎市の林製作所。カモメホーム洗濯器という名でした。

ただ水と洗剤で撹拌する洗濯とは違う、この膨張圧力方式洗浄法なる原理はイギリス・ドイツ・アメリカでも特許を取得しています。(現在でも、この原理をもとにつくられた手回し洗濯機は、独り暮らし・アウトドアなどで重宝だということで、製造販売されています)器体の底に刻印があるとのこと。

さて、豊富郷土資料館に展示されている球形洗濯機は、これと同じものなのでしょうか?高まる期待を抑えながら、ひっくり返してみますと・・・・・。

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当館にあるのは、う~んと、んっ?!「MAKI SANGYO CO. LTD.」でした!!

有名な「KAMOME HOME WASHER」ではなかったです。

しかし、英・独・米で取得した特許番号は同じですし、「かくはん」「ゆおん」の文字レイアウトも同じです。(但し、撹拌時間がカモメは10~20秒、MAKIは20~40秒ですが・・・・)

調べたところ、「MAKI」の真木産業は林製作所と同じ群馬県、桐生市にありました。お電話でお伺いしたところ、「製造していたことにまちがいないが、現品も資料も全く残っていないので、何もわからない」とのことでした。しかし、少なくとも昭和32年(1957年)以降の製造でしょう。

当館で、球形手回し洗濯機の左隣りに置かれている「Hitachi」の電気洗濯機は昭和29年製ですが、当初はとても高級品で、手頃な値段で一般庶民が購入できるようになるのは昭和30年代後半です。手回し洗濯機は、ほんの束の間、洗濯板から電気洗濯機へ移行する、日本の洗濯スタイルの過渡期を支えた道具だったのですね。

実際に使ってみたいですね♪ でもでも、ふたがないっ!!

紛失した(所蔵当時から)蓋を見つけた方はどうか届けてくださいっ!!(そんなことは無理ですけどね・・・・)

いまはもう失われた昭和30年代の、技術的にもデザイン的にも卓越した一品。

ぜひ、豊富郷土資料館でご覧になってください。(ふたがないですけど・・・・・残念!)

まゆこでした。Photo