大麦で麦茶を作った
富子だけんど、富士山の麓や山は雪だったねぇ。へえ4月だっちゅうにびっくりしちもうね。今日っからはホントにぬくとくなると思うけんど。
大麦の皮を剥くのは手作業じゃあなかなかうまくいかんていうこんが分かったから、今んとこできるのは麦茶にするこんかなあと思って、麦茶作りをやってみたさ。ちっくいころ、よくお母ちゃんが、竈(くど)の上に焙烙(ほうろく)をのっけてそこで大麦を煎ってるのを見たことはあるけんど、自分でやったこんはなかったから、どういう加減でやったらいいだかよくわからんだよね。
最初にやったときは、焦がしちゃあ困ると思って弱火にしたら時間ばっか掛かって、できあがっただかできあがらんだかそれもよくわからん麦茶になってさ。普段麦茶を入れるように沸かしたお湯をかける感じで入れたら、匂いは麦茶のにおいがしたけんど、うすーく色が出ただけでイマイチ麦茶の感じがしなかっただよね。次に強火でやったら、モクモク煙が出て、あっという間に焦げて終わりだったし。
現在の麦茶会社での麦茶を作り方はいろいろあるようだけんど、やっぱり焙烙とかフライパンで炒るっていうのが伝統的なやりかただと思うよね。昔の人がやってたこんができんていうのはくやしいからさ。またやってみたさ。
中火で、煙はあんまりモクモク出さんようにして、炒ってるとだんだん茶色くなって、そのうちパチパチいってくるだよね。見ると、大麦がはぜて、白い中身が見えてきたりするさ。買った麦茶の麦の粒が、でっかく見えて、私の麦は栄養不足かと思ったけんど、実は炒ってるとふくらんででっかくなるね。麦茶会社によっちゃあ蒸してっから炒ったりするらしいから、そうなるともっと麦はふくらんで見えるよね。香ばしいにおいもするよ。
パチパチ言うのがだんだん少なくなってきたら終わり。今度はこれを鍋に入れて煮出すさ。そうすると黄金色のきれえな麦茶ができあがるってわけ。色は買った麦茶とは違うよ。買った麦茶は茶色をしてるけんど、うちで作る麦茶は黄金色だよ。
飲むと口の中に麦の味がふわっと広がる感じだね。飲んだ瞬間じゃなくて、ちょっとたってからね。まゆこさんや、「カワセミ」のお姉さんにも飲んでもらったら、おせじかもしれんけんど「おいしい」って言ってた。これが本物の麦茶なんだと思うよ。子どもの頃の味を覚えていんのが残念だけんど。それと子どもの頃は麦茶は砂糖を入れて甘くしてあったから、麦の味は隠れちゃってたかもしれんね。
でっかいヤカンに作って、砂糖も入れて、井戸に吊して冷やして飲んだもんさ。館長のうちは甲府の町中だったから氷冷蔵庫があったけんど、うちは田舎だったからスイカを冷やすのもみんな井戸だったからね。
大麦を作るのに手間はかからんし、虫も鳥も来んし、藁は畑に使えるから、あいてるとこがあったら作ってみるといいと思うよ。うまい麦茶が1年中飲めるよ。
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