日本刀のお手入れ
富子だけんど、これだけぬくとくなれば、へえインフルエンザも流行らんらね。花粉症の人は大変かもしれんけんど、うつらんからその点は少しはいいよね。
今日は館長が、「お客さんが来たら教えて。電話がかかってきても呼ばないで。」と謎の言葉を残して展示室へ消えたさ。なんだと思ったら、刀の手入れをするだって。お客さんを刀で切っちゃあ困るから、お客さんが来たらすぐ撤収するってことだね。電話が来ても呼んじゃだめっていうのは、刀をそこへほっぽり出しておくわけにいかんていうこんさね。
資料館には日本刀がけっこうあるだよね。飯室家で伝えてきた刀6本の他に3本。これを全部お手入れするのはけっこう手間がかかるよ。
刀のケースの前に陣取って、刀を布の上に広げて、まずは目釘を抜いて柄をはずす。目釘を抜く道具は「目釘抜」っていって、打ち出の小槌みたいなかっこうをした真鍮の道具だね。この刀は長い刀で、館長が言うには江戸時代の新刀だって。長い刀だから写真を撮るのにそばによると、ちょっと動かしただけで私の方へ刃が迫ってきて切られそうな気がするさ。これだからお客さんがいたらおっかねえよ。
釘が抜けると、柄を外すこんができるだけんど、前に手入れをしたときに柄を外さんで手入れをしたから、ちっとかたくなっちゃてて外すのが大変だったさ。やっぱりおっくうがらんでちゃんとやらんと、そっから錆がきちもうよね。
はばきも外してまずは古い油を紙でぬぐい取るだって。これをしただけで刀の光沢が全然違ったね。すごいもんだね。
その後はよくテレビドラマや映画でもおなじみの「打ち粉」を打つさ。ポンポンの中には、砥石の微粉末が入っていて、ぽんぽんと打つと白い煙みたいのが空中へ舞ってくよ。打ち粉を打っては紙でぬぐって、また打ち粉を打ってっちゅうように3回くらいやったね。
最後は油を塗るさ。「丁字油(ちょうじあぶら)」っていって、錆を防ぐ油だよ。それをネルのきれへ少ししみこませて、それでていねいに刀をぬぐうだね。
手入れが終わったら柄にもどして、目釘を打って刀掛けへもどして1本は終了。次にやるのは室町時代の脇差しだって。といあえずお手入れの工程を写真に撮れたから私はお客さんが来ないように見張りに戻るさ。
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