蚕糸関係資料を大量にご寄贈いただく
先月のことですが、甲府市の永井様より蚕糸に関する資料を大量にご寄贈いただきました。
大まかな整理作業を当館で行い、合計1310点を収蔵させていただきました。
←当館で箱別・資料ごとに個体番号を付け、各箱に収納資料一覧をつけた。
内容は、蚕糸学関連学術雑誌・書籍の他、山梨県蚕糸課繭糸検査事務所に籍を置いておられた関係上、個人的に研究・資料収集されていた県内外の養蚕・製糸産業資料等16箱の他、玉糸座繰り製糸で使用されていたという繰糸鍋、木製丸形繭枡(一立)、全自動繰糸機に使用された繊度感知器など、充実しています。
今後は資料一つ一つを精査する作業に移りますが、当館展示の充実にも大いに役立ちそうです。もしかしたら、県内蚕糸業史における新発見もあるかもしれません。
←蚕飼育経過読取器。これは便利だ!
80歳代でいらっしゃる永井様ですが、研究雑誌はひとまとめにして分かりやすいように手書きのインデックスを表紙につけておられたり、まゆこが苦心しても集めきれていなかった統計資料も使いやすいように再構成してありますし、煩雑になりがちで散逸しやすい製糸機械・部品のパンフレットや県内各製糸場についての手書き詳細メモも関連情報ごとにまとめて、美しく閉じてありました。
一箱一箱中身を開けるたびに、まったく、研究者の大先輩として頭が下がるばかりです。
また、山梨県内蚕糸資料をこれほどまとまった形で収集することは、今後かなり難しいと思います。
←半月型の繰糸鍋と丸形繭枡
←長野県岡谷の有名な蚕糸関連機器メーカー増沢工業の古いカタログ。ありとあらゆる蚕糸関連機器や部品を網羅したさすがの品揃えで、絵図も美しくて感動するが、糸繰鍋の型式にもこれほどあったかと驚かされる。
永井様は東京農工大学卒業後山梨県に来られて、蚕糸業の発展に尽くされてきました。その人生をも詰まったこのお宝資料を、日頃の当館の活動をご評価いただいた上で託してくださったこと、心より感謝申し上げます。
←峡南蚕業指導所西八代・南巨摩繭増産協議会が蚕室にかけるように配った簡易温度計
今日はそのほんの一部をみていただきました。
今後、資料精査の進捗状況により、随時、こちらのブログでも、個々の資料紹介をして行く予定です。
まゆこ
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