蚕影大神のお姿②
こんにちは、まゆこです。昨日に引き続き、南アルプス市上宮地の風新居地区公会堂で保管されてきた蚕影大神さまをご紹介します。
こちらは「絹本着色蚕影大神画像(けんぽんちゃくしょくこかげだいじんがぞう)です。
木像と同じく、左手に繭、右手に桑の木を持っていらっしゃいますが、こちらは座っておられます。
←「絹本着色蚕影大神画像」
蚕影神・蚕影山:茨城県つくば市蚕影神社を本社とする。江戸時代以降蚕種屋が広く伝え、信仰を集めた。
所在地:風新居公会堂内 (南アルプス市上宮地)
付記:右手に桑の木、左手に繭を持つ蚕影大神画像。
衣服の胸のあたりに『阿伱嚕神王(あじろしんのう)』と記されている。『阿伱嚕神王』とは、十二神将の一人、如意輪観音を示す。如意輪観音には立像は無く、全て坐像か半跏像である。
この蚕影大神は、救世菩薩とも呼ばれる如意輪観音(阿伱嚕神王)に桑枝と繭を持たせ、養蚕信仰の対象としたものと思われる。
こちらの画像は、平成28年6月5日に、前回ブログ「蚕影大神のお姿①」でご紹介した蚕影大神木像を当館にお貸しいただく作業をしている最中に発見されたものです。
木像を保管している風新居公会堂を管理している上宮地地区の方(住吉さん)が、「倉庫内にこんなものがあったのですが・・・」と見せてくださいました。
掛け軸は表木と軸木が無くなった状態でしたが、何とか開いてみると、画像は無事でした。
そして、その時まさに梱包作業をしていた蚕影大神木像とお姿がそっくりだったのです。製作年は不明なので推測ですが、もしかしたら木像のモデルとなった絵かもしれません。
お顔にいたずら書きの跡が少しありますが、冠は木像とそっくりの形です。
←落款
人間とは明らかに異なる手足の爪の形など、細部を見れば見るほどに、夢幻的な魅力を感じます。
風新居公会堂には、この他に、「蚕影大神木像」、「蚕影尊天の版木」、「蚕の文字の入った鬼瓦」が保管され、決められた日に公開されています。
今日ご紹介した掛け軸は、簡易な修復を当館で施して、展示できるようにしましたので、いづれ、木像とともに公会堂内で地域の方々に公開していただければ幸いです。
まゆこ
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