ぼた餅を作った
富子だけんど、今日は彼岸の中日じゃんね。相変わらずの雨っぷりでお墓参りにゃあ都合が悪いよね。「中日ぼた餅、明け団子」って昔っからいうから、作ってみたさ。若い頃法事だかなんだかのよそのうちの人寄りの時に、近所のおばさんたちとぼた餅を作ったこんがあるだけで、自分じゃあ作ったこんがなかったからね。
炊いたご飯をすり鉢でつぶす
餅米とうるち米を混ぜて炊いてっから、すり鉢だかこね鉢だかでつぶすだよね。おばさんたちは「半殺しにする」って言ってたけんど、恐ろしい食い物だよね。
ごはんのまわりに餡をつける
「ぼた餅」と「おはぎ」は何が違うだかいろいろの説があってどれがホントだかわからんけんど、あたしのまわりじゃあみんな「ぼた餅」って言ってたね。「おぼた」って言ってた人もいたけんど、「おはぎ」はほとんど聞いたこんがないね。ただ昔のぼた餅はでっかかった。今のは一口か二口で食えちもうけんど、昔のぼた餅はそんなこんじゃあ食えなかったね。
ゴマもすり鉢で摺る(すり鉢大活躍)
子どもの頃お母ちゃんが作ってくれたぼた餅がうまくて、まああの頃は食えさえすりゃあ何でもうまかったけんど、食い過ぎちゃってね。後で具合が悪くなって死ぬ思いをしたからそれっからぼた餅はずっと食わなかったさね。大人になってからはたまに食ったけんさ。その頃になるとぼた餅もちっくくなって、他にもうまいもんがたくさんあるようになったから、そんなにガツガツ食わなくてもいいようになってたからね。
餡とゴマのぼた餅を供える
そういえばおばさんたちとぼた餅を作ったとき「え」のぼた餅っていうのも作った気がするだよね。「えっ?えのぼた餅ってなに?」って聞いたら、餡の代わりに「エゴマ」の摺ったのをまぶすぼた餅だったさ。きな粉とかゴマとかのぼた餅は食ったこともあったけん、「え」のぼた餅っていうのは初めてで、ところ変われば品変わるだなあと思ったね。食ってみるとやたら油っぽくてこれまたびっくり。「エゴマ」からは体にいい油が絞れるっていうのも知らなかったからね。こういうふうに煎って摺って食うのが一番いいらしいよ。ほれ、昔の人は経験でちゃんといいことを知ってるだよね。すごいよね。資料館でも今年は「エゴマ」を作ったから、何にしようか楽しみだね。
元気いっぱいのエゴマ
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