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2016年9月28日 (水)

稚蚕を土室で育てた頃のこと

Photoこんにちは、まゆこです。

今年度第2回目の企画展「最後の養蚕家と豊富」が925日で終了いたしました。

少々マニアックな展示でしたが、中央市内や近隣市町村の他、東京、埼玉、静岡、群馬、福島、神奈川など遠方からわざわざ観に来てくださった方がいらしたのには驚きました。

感謝いたします。

 まゆこには、まだあと少し資料返却等の作業がありますが、企画展示スペースは101日~はじまる「王塚と甲斐の五世紀」へと模様替えが着々と進んでおります。

きょうは、終了した企画展で展示した土室(どむろ)扉について、ここでもご紹介したいと思います。

まずはこの写真からご覧ください。

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←昭和30年頃の土室育のようす。(豊富村養蚕組合アルバムより)

稚蚕(ちさん)は卵からふ化して1齢から3齢になるまでの蚕のことですが、土室育(どむろいく)とは、群馬県で考案された稚蚕を飼育する方法の一つで、昭和25年くらいから全国に普及しました。保温と保湿、換気装置を備えた小部屋の中で稚蚕を育てます。湿温計を設置して、変化に弱い稚蚕期を外気にさらすことなく厳密に管理できるため、作柄が安定しました。しかし、炭火で保温するので、つきっきりで夜中も起きて火の調整をする必要がありました。

P4242405 ←豊富、山宮地区内には、土室の建物が現存しています。

176 ←厚壁土蔵造りの建物の中を外観から観察すると、換気のための煙突が3つも屋根から突き出ています。

Dsc_3701 ←さあ中を見てみましょう。かつては桑も積み上げていたであろう低いトタン屋根の作業スペースを通りぬけて、建物に入ると、間口1間1.8m)の観音開きの板扉が3か所並び、そのうち2箇所に温湿度計が付けられています。
Dsc_0716 ←この温湿度計は特殊なもので、扉を閉めた状態で、小部屋内部の温湿度が分かるようになっています。(ガラス管が直角に曲げられており、扉に穴をあけ、外側から差し込むように取り付ける)

扉を開けると、一坪ほどの広さで、この中に10段の蚕棚が作られたようです。

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掘り込まれた床下には囲炉裏やブリキの火鉢が置かれています。

 また、小部屋ごとに床下から2本、外に向けて1本の土管が設置され、上下に換気装置があったことが分かります。
 

これは、1齢から3齢までの幼い蚕を飼育するための稚蚕飼育施設です。

 豊富では、昭和49年(1974)に稚蚕共同飼育所が稼働するまで、家ごとに、このような土室で温度と湿度の管理を厳重にして、手間のかかる稚蚕飼育を大量に行っていたということです。

P4242382

1部屋に1齢蚕種20箱分(40万頭分)、2齢が10箱分(20万頭分)、3齢で5箱分(10万頭分)の蚕を収めることができます。

 ←建物の壁には、温度管理や桑を与える量などが、日ごと時間ごとに細かく記載されている飼育標準表があちこちに貼られていました。

かつて、ここで壁の表とにらめっこしながら、寝ずに幼い蚕の世話をした人々の姿がよみがえるようです。

土室の扉は当館2階の養蚕風景ジオラマ(通称「富子さんの部屋」)に常設展示することになりました。どうぞ、ご覧になってみてください。

まゆこ

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