第3回歴史文化講座『地方病終息宣言20年』を開催します
来月の9月10日午後1時30分より、当館において表題の講演会を開催します。
本年は地方病終息宣言20年となります。
地方病の正式な名称は「日本住血吸虫病」と言いますが、古来より「原因がわからず、腹が膨れてやせ細り、やがて死に至るこの病」は『水腫張満』と呼ばれていたそうです。
明治14年(1881)8月27日のこと、当時の東山梨郡春日居村の戸長(村長)と衛生委員が連名で、当時の県令(現在の知事)であった藤村紫朗に提出した『御指揮願』は、「多くの村人がこの病気にかかり、悲嘆に耐えられないので、発生地域の地図をもとに、実地検査をお願いしたい」というものでした。今を去ること135年前です。
しかし、その病原菌について長い間不明で、奇病・魔病として恐れられていたのですが、大正2年(1913)にミヤイリガイを中間宿主とする日本住血吸虫が体内に侵入することが原因であることが特定されました。
昭和町西条新田の杉浦医院の杉浦健造とその娘婿三郎は、特定条件で皮膚感染をする寄生虫病であることを住民に伝えるとともに、予防が重要であり、私財を投じてミヤイリガイ撲滅への活動を始め、やがて全県下に広まり「山梨県地方病撲滅期成組合」の結成へとつながったのです。
昭和51年、渡り鳥の楽園として知られた旧・田富町の臼井沼も、一面のアシ原でしたが、ミヤイリガイの生息地として埋め立ての要望が強まり、同年6月29日の県議会の決議を経て、ふるさと公園や学校敷地へと生まれ変わりました。埋め立て決議から40年の歳月が流れたことになります。
永い間、地域の人々が苦しみ、杉浦医師などの奮闘のおかげで、今は安全な地域となった甲府盆地南部の歴史を、現在の『昭和町風土伝承館杉浦醫院』館長中野良男先生のお話を伺い、学びませんか。申し込み不要、入館料免除となります。
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