虎蚕の暴走パラリラパラリラ~
きょうは、虎蚕の上蔟について報告します。
卵を6月8日に常温に出した虎蚕は6月20日にふ化しました。そして、6月27日に3齢となり、7月2日に4齢、7月7日に5齢、7月13日に上蔟となりました。
←回転蔟に上蔟した虎蚕(とらこ)たち。
ここまでの虎蚕ちゃんは、同じシマシマ蚕でも先に営繭した黒縞ちゃんに比べ、上蔟までは実用蚕品種とさほど変わりはない感じで、育てやすい「いい子ちゃん」だったんです。
成長度合いが揃っているし、5齢になるともりもり桑葉を食べてくれてよく太り、「これは繭の出来が期待できるぞ!」と思っていました。
そして、13日午後までに回転蔟への上蔟作業が終わったところまでは、「明日の朝どれくらい繭をつくりはじめているか楽しみだわ~ん♪」なんて、わくわくして帰宅したのでした。
翌朝のその惨状を目の当たりにするまでは・・・・。
↑上蔟前の優等生だった頃の虎蚕たち。
14日の朝、出勤してすぐに回転蔟を見に行くと、あれぇ~?蔟の枠の中はスカスカです。
なんと、虎蚕のほとんどが蔟から脱走し、さらに上を目指して蔟を吊り下げている横木の上に登って背伸びしていたのです。
何ともすごい虎蚕の上昇性!
↑横木の下の虎蚕暴走族はもう移動不能なので、そのまま営繭してもらうことに。「もう~、君たちはアメリカシロヒトリじゃないんだから、ちゃんと蔟の中で営繭しなさいよっ!」
←蔟が回転する軸付近に営繭してしまっているものもいます。
これでは蔟を回転させることができないではないか。
確かに、上蔟させた直後の昨日は回転蔟が回る頻度がいつもより多いなとは感じていました。
それは虎蚕の上昇活動が活発なため、蔟の重心移動が頻繁に起こっていたからに他なりません。
しかし、夕方帰宅する頃には、それぞれなんとなく枠に収まりつつあるように見えたので、尖り繭防止のため横軸で止まるように蔟を固定して帰ったのがいけなかったのでした。
蔟の回転が止まった途端、虎蚕たちは枠から出て、上へ上へと登りはじめたようでした。
まゆこ痛恨のミス!!
「キャー!どうしたらいいんだ~」と叫でいる暇などありません。
虎蚕たちの黄色の美しい糸を少しでも無駄にしないために、急いで富子さんは脚立を持って来て蔟装置の上の蚕たちを拾い、まゆこが下で捧げもつお盆の中に入れていきます。
そしてお盆がいっぱいになったら飼育籠の上に平らに置いた区画蔟の枠に一頭ずつ入れて上から蓋をして閉じ込めてしまいました。
暴走する虎蚕たちの動きを止めるにはもうこの方法しかありませんでした。
途中まゆこが「あ~!この惨状を写真に収めておくべきだったのに~」とくやしがったら、富子さんが「無理だね、そんな暇ないよ」と言っていました。
虎蚕飼育の教訓として、「育てやすい蚕は上蔟後に気をつけろ!」
おとなしくてよく食べるほんとに良い子たちだったので、上蔟した時点でやれやれと気を抜いてしまいました。
ヨーロッパ種の虎蚕の上昇パワー恐るべし。
次回飼育への教訓としたいと思います。
←次の日の脱走蚕の営繭状況。虎蚕の繭は黄色でした。
まゆこ
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