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2016年4月 8日 (金)

ミニ企画展「春・花・かんざし ~髪をかざる~」(3)

 上窪遺跡の横櫛(中央市指定文化財)

 山梨大学医学部の南側の、新山梨環状道路建設に伴う調査で、平安時代の墓から出土したのが、イスノキで作られた櫛です。墓穴の一番底には斎串と呼ばれる魔除けの串が入れられ、その上にむしろのようなものが敷かれ、またその上にふとんのようなものが敷かれて遺体をのせ、最後にまたむしろのようなものをかぶせて葬ってありました。櫛は遺体の胸のあたりに置かれていました。置かれた場所からみて、魔除けの意味があったと思われます。また、足もとには下駄が置かれていました。

Img_0078jpg2 足もとに下駄が置かれている

 櫛は2点出土しているのですが、胸の辺と腹のへんに分かれてでてきていることと、接合できないことから、一つの櫛が割れてしまったのか、最初から2つ入れられたのかはわかりません。古墳などに副葬するものもわざと壊して入れる場合があるので壊したものを入れたのか、土の圧力で壊れてしまったのかもわかりません。土の中に埋もれた木製品が腐らずに残っていること自体がすごいことなので、謎は多いのですがすごい発見です。戦国時代や江戸時代の櫛も県内から見つかっていますが、平安時代のものという点で大変貴重だと思います。

Img_0151jpg2 胸の辺に櫛が見え、底には斎串(いぐし)

Img_0162jpg2 2つめの櫛が見える

 イスノキは、九州・四国・本州(伊豆半島以西)の太平洋側に育つ常緑広葉樹で、その木材は非常に硬く緻密です。山梨県内にはない植物ですので、南の方から運ばれてきたものと思われます。イスノキの櫛は奈良時代から宮中で使われていました。平城宮跡から出土する櫛のほとんどがイスノキの櫛です。現在もイスノキの櫛はほとんど手に入らない最高級品です。

Img_8821jpg2 腹に近い方の櫛

Img_8822jpg2 胸の上の櫛

 死んだら捨ててしまうことが特別ではなかった古代に、斎串を用いた葬送儀礼を行い、はるばる他国から手に入れた貴重な櫛とともに埋葬されたこの人は、当時のごく限られた身分の人だったのでしょう。

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