フォト
無料ブログはココログ

にほんブログ村

« サクラ情報4 シルクの里公園のさくらはつぼみがパンパン | トップページ | ミニ企画展「春・花・かんざし ~髪をかざる~」(2) »

2016年3月20日 (日)

「ひとりね」の話(2)

Tomiko

 富子だけんど、おとといは「武田二十四将」展に行ってきたさ。あの頃の古文書がいっぺえあったけん、読めんだよね。くやしいよね。あたしのおばあさんちゅう人は、明治の生まれで読み書きはできなかったらしいだけんど、くやしいっていって、野良仕事の合間に読み書きを独学したらしいさ。えらいもんだよね。昔の人は根性がちごうね。

 今日は、『ひとりね』のなかの一番不思議に思ったこんを書くじゃんね。200年もめえの(前の)言葉だから、今は使っちゃあいん言葉んあってもしょうがねえと思うけんど、方言も進化するっちゅうこんを改めて気づいたさ。ほうしたら料理もほうだったさ。

 「索麺(そうめん)をゆうめんと言い、又にうめんとも言うなり。ひや麦に味噌汁をかけて食う。これを名付けてにかけと言うなり。珍しき料理なり。」っていうとこさ。「にかけ」なんていう料理は『山梨の郷土食』っていう本にも出てこんし、今まで聞いたこんもなかったからね。古文書の教室の人たちも「知らん」て言ってたしね。

 ほれで他の本も調べてみたさ。『裏見寒話』っちゅう本と、『甲斐の落葉』っちゅう本さ。ほうしたら出てたね『裏見寒話』に。「冷や麦などの類に、ナス・ササゲ・タケノコを入れ、入れたる汁に浸して食するを言う」と書いてあったさ。ところが『甲斐の落葉』にゃあないだよね。「ホートヲ」と「アズキボートヲ」は載ってるけんどね。そういうわけで、「妄想にかけ」を作って見たさ。

Img_8946jpg2 妄想して作った「にかけ」

 ただ、タケノコとナスは今だから一緒の汁に入れるこんができるけんど、江戸時代じゃあ無理だよね。採れる季節がちごうだから。ほんだから野菜はタケノコとナスとササゲじゃあなくてもよかったじゃあねえかなって思うさ。ネットで「にかけ」を調べたら三河地方に「にかけうどん」ていうのがあって、かまぼこ・油揚・ほうれん草・花鰹・刻みネギなんかをどっさり乗せて熱い汁をかけて食うらしいさ。だけんど、麺類の食い方からいうと邪道らしくて、一部の地域でしか食わんようだね。

 そういえば山梨の「ほうとう」も具がこれでもかっちゅうくれえ入ってるよね。これも麺類の食い方からしたら邪道だから、カルチャーショックを起こす人も多いよ。『裏見寒話』には「これは溫飩を味噌汁にて煮て食す」って書いてあって、『甲斐の落葉』には味噌汁の中へうどんを打って大根・ニンジン・牛蒡などと入れ煮たるを言う」と書いてあるから、今でもそのとおりだよね。

Dscn8690jpg2 具が山ほど入った「ほうとう」

 「にかけ」はそういうこんで、今じゃあ言葉からはそれらしいもんは見当たらんだけんど、「煮麺(にゅうめん)」て言うのが近いような気もするし、「おざら」が近いような気もするし。山梨じゃあ「お吸い物」には一番下にそうめんを入れて、その上にほうれん草だのかまぼこだのゆで卵だのを入れて汁をかけるからそれにも近いかもしれんね。要するに、「おざら」でも「蕎麦」でもつける汁にゃあ具がたいへんへえってるのが山梨の麺さ。よその県の人にゃあびっくりだと思うけんどね。

 ちなみに『裏見寒話』は享保9年に甲斐国に来た甲府勤番士が書いた本で、『甲斐の落葉』は明治19年に甲府教会に来た牧師さんが書いた本さ。どっちもよその国から来た人だから山梨とほかの違いがよくわかるっちゅうこんだね。

« サクラ情報4 シルクの里公園のさくらはつぼみがパンパン | トップページ | ミニ企画展「春・花・かんざし ~髪をかざる~」(2) »

豊富の富子」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1875313/64549536

この記事へのトラックバック一覧です: 「ひとりね」の話(2):

« サクラ情報4 シルクの里公園のさくらはつぼみがパンパン | トップページ | ミニ企画展「春・花・かんざし ~髪をかざる~」(2) »