小正月の一幕
富子だけんど、早いもんじゃんね。ついせんだって正月になったばっかだと思ってたら、へえ小正月じゃん。14日正月(じゅうよっかじょうがつ)っていうくれえだから、ほんとは14日にやるもんだと思うけんど、今じゃあ土曜とか日曜に合わせてやるから、今年は10日にやるとこが多かったねえ。ちゃんと昔っからのひにちにでやるとこもあるようだけんど、すくねえ(少ない)よね。
うちのとこじゃあ、朝っから子どもがお獅子になって、全部のうちをまわってくれるさね。朝っから太鼓の音が聞こえて、にいやかだよ(にぎやかだよ)。昔は子どもん大勢いたから、いくつもの組に分かれて獅子舞ができたけんど、今は子どもん少ないから、組がたくさん作れなくて、一つの組で大変のうちをまわらなきゃあならんから、子どもんとうがえらい(疲れる)だって。ほんだから大忙しさ。来たと思ったら、すぐけえっちもう(帰ってしまう)よ。
ほんだけんど、ごむしんをいって写真を撮る間ちょっと待ってもらったさ。
ぼくもかんでもらった
お獅子は子どもの頭をぱくぱくとかんでくれて帰っていったさ。うれしいこんだね。
わたしもかんでもらった
夕方はどんど焼きがあって、それぞれのうちで木の枝にさした団子を持ってきて焼くさ。この団子を食うと一年中風邪をひかんていうからね。たき火で焼くだから焦げるよ。炭になってるとこもあるけん、どんど焼きの団子だからね。食ったっていいさ。
団子を焼くどんど焼き
どんど焼きに来るに団子を持ってくるのはあたりめえだけんど、ここいらじゃあ、他にバケツを持って来る人も大勢いるだよね。
バケツと移植ごて持参
何をするかっちゅうと、どんど焼きの灰をバケツに入れてうちへ持ちけえって、明日の朝そん中に(その中に)、小豆がゆをたいた湯を入れて混ぜたのを屋敷の周りへ撒くさ。
「蛇もむかでもどけどけ、俺は鍛冶屋の婿どんだ。鎗も刀も持ってるぞ。ちっとでもさわるとぶっ切るぞ。」って言いながら撒くさ。うちんなけへ(中へ)、やあなもんがへえってこんようにする(いやなものが入ってこないようにする)おまじないだね。
藁の灰をバケツへ取っていく
冬のどんど焼きじゃあ、藁を燃やして、夏のどんど焼きじゃあ、むいから(麦藁)を燃やすだって。ほんだけんど今じゃあ麦を作らんから、夏のどんど焼きはむいからを燃やせなくなっちゃったねえ。
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