天の虫のおきみやげと山梨の現役養蚕農家数
本日平成27年12月16日より、山梨県立博物館で「天の虫のおきみやげー山梨の養蚕信仰ー」がはじまりました。 ←丸型の飼育籠を取り外す館長 このシンボル展には、当館から養蚕資料
8点を貸し出しています。
会期は平成28年2月29日までです。
貸出資料は、「掃き立て用の羽」「丸型の飼育籠」「大黒と馬の意匠のある紙張幕」「猫と鬼の文字のあるネズミ除けの護符」「山神社の養蚕満足の護符」「大福寺の養蚕円満の木札」「繭形の装飾のある養蚕ストーブ」「大當の刻印のある養蚕火鉢」です。
これらの資料、普段は当館2階の養蚕展示コーナーに所狭しとぎゅうぎゅう詰め風に展示されていて、それはそれで「どうだこの量ってばっ!」「お蚕飼うにはこんなにいろいろ道具が必要なんだぜ!」的な見せ方になっていると思うのですが、担当学芸員さんの話によると、今回の山梨県立博物館企画展では、ひとつひとつの道具に込められた、先人たちの養蚕にかけた願いや祈りを読み取ることのできる展示になるようです。たぶん。(今日はまだまゆこは観に行けてなくて、スミマセン)。
ですから、当館リピーターのお客様たちにも、いつも見慣れた当館養蚕道具たちの中で、どれが選抜されて、どんな風にかっこよくスポットライトを浴びて、どういう切り口で解説・展示されているか、是非観に行って欲しいと思います。 さて、いつもまゆこは、展示解説をする時、「平成26年調べで山梨の養蚕農家戸数は12戸で、約5,000kgを生産している、峡南地域で多く生産しているらしい」と伝えていますが、地域的に現役養蚕農家がどのように分布しているかは、正確に把握できていませんでした。
←10人程でとても丁寧に梱包していただき、山梨県立博物館に運ばれました。
なので、「山梨県立博物館で特集展示が行われていることもあり、今後お客様から質問されるかも?」と心配になり、この機会に山梨県農政部に問い合わせしてみました。花卉農水産課職員の方が丁寧に教えてくださいましたよ♪
県内の養蚕戸数は各JAごとに集計されているそうで、「平成26年度調べで、JA大月で2戸、JA笛吹4戸、JA増穂4戸、JAこま野1戸、JA甲府1戸」となっているそうです。
しかし、平成27年度に入り、JA笛吹管内になる中央市の中込さんとJA増穂管内の農家1戸が春蚕を中止したことを知っているので、平成27年今現在の県内養蚕戸数は10戸以下なのは確実だと思います。
←平成26年9月晩秋蚕の繭を選別する中込さん(平成27年4月に中込さんは急逝された)
これから山梨の養蚕はどうなっていくのでしょうか?
まゆこには、山梨で育まれた養蚕文化の継承とともに、優れた山梨の養蚕技術も記録として後世に残していかなくては、という思いがあり、焦っています。空回りしっぱなしだけど・・・。ガンバリます!
まゆこ
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