桑爪を使ってみた
伝統的な養蚕道具として、各地の郷土資料館に必ずといっていいほど展示されている「桑爪(くわづめ)」。
桑の葉を摘みとる鉄製の爪が指輪のように人差し指に装着できるようになっている道具です。
でもまゆこは実際にどのように使うのか見たことがなかったので経験してみることにしました。とりあえず民具辞典に載っている挿絵を参考にすれば…とおもって人差し指にはめてみましたが、なんだか違うかんじ・・・。
そんな時はいつもの「カンチョ―、桑爪ってどうやって使うんですか~?」 まずは館長の指にはめてもらいました。慣れた人は両手に装着するらしいです。 そして、畑に植わった桑木の枝の下から上へ順に摘んでいくとのこと。 摘んだ葉は左右両方の手でそれぞれ枝の最上部を摘むまで上に重ねていきます。 そして、葉は腰に下げた桑摘み籠の中にきれいにそろえてギッチリ、ギュウギュウいれるそうです。 ←両手で枝の下から上へ摘む様子。 新芽を削らないように注意して、葉の柄は枝のギリギリでなく、少し枝から離して切ります。
葉を親指と桑爪のリング部分で挟むようにして押さえると、自然と桑爪の刃が柄を断ち切って葉が離れるといった感じです。
「これはいろいろな野菜の収穫にも使えそうで便利じゃないか!?」と思いました。ネットで現在でも桑爪を販売していないか検索してみると、やはり、「菜花摘み用の爪」として売られていたり、春菊やモロヘイヤ、キュウリ、ナス、インゲン、トマト、その他果物等の収穫に便利と書かれていました。
当館には展示されているもの以外にも、収蔵庫に桑爪の束がいくつも保管されており、むかしの人がたくさん使った道具なのだなぁとは知っていましたが、使い方や使用実感を知るととても新鮮な気持ちでこの資料に向き合える感じがします。 むかしは地域の誰もが使っていた道具でも、資料館に実物が残っているだけでは、何をするための道具かは伝えられても、どうやって使うのか分からなくなってしまいますね。 一般的には、使い方や操作のわからない道具はタダの不用品に限りなく近いから・・・、生きた資料にならないんじゃないかと思ったりしています。 (館長の了解をとってからですけど(^^♪)「さぁ、これからもどんどん昔の道具を動かしてみよう!」と思っているまゆこです。
まゆこ
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