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2015年8月29日 (土)

日本人が愛した計算道具(3)

機械式計算機(きかいしきけいさんき)

 スコットランドのネイピアが対数の原理から計算の原理を考えたのが機械式計算機の始まりといわれています。その語歯車を組み合わせて計算を行う機械式計算機をドイツのシッカートが1623年に発明しました。1642年にはフランスのパスカルも歯車を使った計算機を発明します。

 その後さまざまな改良が加えられましたが、日本では大正時代に大本寅治郎によりオドネルの設計図に基づいた「タイガー計算器」が開発され、日本における機械式計算機の代名詞となりました。当時の機械工作の粋を結集した製品で、米英独でも特許をとりました。大正6年の販売時には、そろばんの100倍もの値段だったそうです。

Dscn7725jpg2 昭和31年発売日本計算機製SM-21

 その後「日本計算機」「パイロット」「東芝」などさまざまなメーカーが商品化します。シェアを分け合ったのは、タイガーと日本計算機で、昭和30年ころからは価格も同じ35,000円でした。会社や官庁でこの計算機を使ったという人も多く、予算を作る時期などは、順番待ちだったそうです。これ以外の計算方法は、そろばんか筆算しかなかったのですから。ところがコンピュータや電卓の登場で1970年前後には生産が一気に急落しました。タイガー計算機も1970年には製造を終了します。

Dscn7515jpg2 数字が並んでいかにも機械的

 タイガー計算機は事務機器のメーカーを経て、現在はタコグラフやドライブレコーダーを製造する会社へと変わり、日本計算機も電卓製造の過程でインテル開発にかかわるなどしながら、現在はコンピュータ部品製造の会社になっています。

電子卓上計算機(でんしたくじょうけいさんき)

 名前の通り電子回路によって計算を行う道具で、電卓と呼ばれて現在も愛用されています。1963年イギリスで世界初の電卓が開発されましたが、翌年には世界で初めて「シャープ」が商品化し、535,000円で販売しました。重さは15kgから20kgもあり、卓上にどっかと場所を占めていました。同じ年には「キャノン」が、その翌年には「カシオ」が電卓に参入し、機械式計算機の日本計算機も電卓を開発します。このころは名前も製品によって異なり、電子計算尺とか電子そろばんとか言っていました。

Dscn7730jpg2_2 卓上にどっかりと

 展示してある「ソニー」のソバックスは、1969年発売で重さは6kgとやや軽くなり、当時としては最も軽く小さい電卓でした。持ち運びができるということから取っ手が上部に付いています。それでも発売価格は228,000円です。数字は現在の表示方法とは異なり、0から9までの数字の形をした電球がそれぞれの桁に並んでいて、0の電球が光ったり、1の電球が光ったりすることで表示をします。ですから、数字によって奥行きが異なり、前のほうに見えたり、奥のほうに見えたりでこぼこしています。もう50年近くたつ電卓ですが、ちゃんと計算ができます。日本の機械はしっかりできていますね。

Dscn7729jpg2_2 数字が凸凹に並ぶ

 1970年ころからICを使った電卓となり、価格破壊が進み、個人が所有するツールへと変わっていきます。

Dscn7734jpg2 手のひらサイズとは言うけれど

 展示してある「シャープ」のエルシーは1971年発売のものですが、宇宙開発技術を応用したといううたい文句で、世界初のメモリー付き電卓で、手のひらサイズと大きさも小型化しました。値段も84,000円です。たった2年でこれほど変わってくるのですから、競争から離脱するメーカーも多くなります。ソニーもその一つで、電卓に関わったのは5年ほどでした。

Dscn7736jpg2 右下は中国製の現在の電卓

 1970年代後半には、超小型化も進み、電卓競争と呼ばれる激しい競争がインテル・液晶・太陽電池・電子辞書・携帯端末などの技術を生み出しました。1980年以降は表計算ソフトを使うようになり、電卓は補助的に使われることが多くなります。電卓の生産はほとんどが海外で行われ、低価格化もますます進み、100円ショップで手に入れることすらできるようになってしまいました。シャープがはじめて商品化した時とは隔世の感があります。

 面白い話はつきない計算道具ですが、ぜひ資料館に足を運び、実際に計算を体験してみてください。お待ちしています。

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