「繭のにおい」を嗅いだことありますか?
昨年11月、長野県下諏訪町にある松澤製糸所の「繭倉庫」をみせていただく機会に恵まれました。
倉庫内に一歩足を踏み入れた途端、いままでの経験にない、独特なにおいに包まれました。
「なんだろう?この匂い!」「くさい?ような気がするけど・・・、干し草のような匂いもするなぁ」そして、社長さんに案内され、山梨県産繭の保管されている倉庫内部の奥深い所に入っていくと、もうその何だかわからない独特のにおいの密度がすごくて、「う~~!」話に集中できないほど圧倒されました。
正直、「繭倉庫の中って、こんなにおいがするんだぁ~」とかなりのカルチャーショックであったことはまちがいありません。
製糸会社が日本全国そこかしこにあった昭和30年代以前には、繭倉庫から漂う繭のにおいは当時の人々が普通に遭遇するものであったそうです。
山梨県内にも昭和33年には、130カ所以上の製糸工場が存在していたのですから、もしこの匂いを再現できたら、現在60歳代以上の方々には、幼いころの懐かしい時代のにおいが体験できる思います。 また、まゆこと同じように昭和40年以降生まれでも、製糸場が自分たちの身近な生活圏内に普通に存在していた情況を少しでも想像できたらおもしろいかも!?と考えました。
そこで、山梨の製糸産業の歴史をたどるミニ企画展「生糸に付された小さな芸術」が平成 27年5月23日からはじまるのにあわせて、ミニチュア繭倉庫を製作しその中に当館飼育蚕の乾繭をいっぱい詰めて、匂いを嗅いでもらうコーナーを作ることにしました。 製糸場敷地内に必ずあった「繭倉庫」からどんなにおいが漂ってきていたのか? においばっかりは実際に嗅いでみるのが一番ですからね♪ 器用な富子さんが群馬県の富岡製糸場の繭倉庫の外観を参考につくってくれました。 カビや湿気から守るため、繭倉庫には通気用の扉がたくさんつけられています。 実際に嗅いでみると、制作した繭倉庫はミニチュア版なので、その分、繭のにおいもずいぶんマイルドになっていますからご安心ください。 怖いもの嗅ぎたさでもいいですから、たくさんのみなさんに嗅いでいただき、近所に製糸場があった時代に想いをはせてもらえるとうれしいです。 まゆこ
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