端午の節句「押絵」の前で鯉泳ぐ
資料館入口の鯉たちも気持ち良さそうに泳いでいます。
ここ山梨県中央市でも、久しぶりに朝から晴れわたり清々しい朝になりました。
これらの鯉たちに誘われて当館入口で写真撮影をなさっているお客様を最近よく見かけますよ♪
そして、幕のように大きな鯉たちの下をくぐっていらしたお客様の目に最初にとまるのは、ウインドウディスプレイされた端午の節句のお飾りや、人形たちです。
きょうは、その中でも、「押絵(おしえ)」をご紹介しましょう。
「押絵(押絵雛)」は、幕末から明治・大正時代に盛んにつくられ、桃の節句、端午の節句に飾られました。 パーツごとに型をとった紙に綿をつけて布で包み、台紙に貼った人形を竹の串に取り付けて、木の台に差し込んで飾ります。 信州松本、秋田、酒田では城下町に住む士族の女性の手内職として発展したといわれていますが、山梨県では甲府市にあった雛問屋(松米・井八商店)で多く作られました。 高価な座り姿の人形に比べて手に入れやすいため、甲府盆地周辺の家々にも、売子によって売りさばかれたものと思われます。 今年ウィンドウに展示されている「押絵」のモチーフは、 ・鎧姿の神功皇后と応神天皇を抱いた武内宿祢(記紀伝承上の人物で、神功皇后は新羅遠征で陣中に応神天皇を産み、赤子の天皇を抱いた武内宿祢を従え凱旋した様子をとらえたもの)
←「押絵」の裏側
・源義家(平安時代後期の武将、八幡太郎と称し、甲斐源氏の祖である新羅三郎義光の兄)
・馬に乗った豊臣秀吉
・虎退治の加藤清正
・歌舞伎役者
・六歌仙
等の以上10点です。
←残念なことに、頭部欠損で収蔵されている大黒様と恵比寿様ペアの押絵
中には頭部が欠損していて、泣く泣く展示をひかえている大黒様と恵比寿様ペアの押絵もあります。 三方にのせた小判を撒いている動作が福々しく楽しいので、展示できないのが惜しいなぁと思っているまゆこです。
端午の節句に飾られた「押絵」には 桃の節句のものとはまた違う趣があります。
大正時代以前につくられた貴重なものですが、ウィンドウ展示ですので、展示期間中はいつでも外から観ることができますよ。
シルクの里公園に遊びにいらしたついでに、泳ぐ鯉をくぐって、是非、貴重な端午の節句の押絵たちにも会いにいらしてくださいな♪
まゆこ
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