縄綯機を使ってみました
今日は百々(どうどう)公民館の人たちが大勢見学にきてくれたさ。公園もまだ空気は冷てえけんど人出がすごいね。春っちゅうこんだね。
百々の人たちも、ちっくいころ蚕を飼ってたっちゅう人ん大勢いて、卵から飼ってたっちゅう人もいたし、さなぎを食ったっちゅう人もいたさ。山梨じゃあさなぎを食う文化はねえと思ってたら、食う文化があっとうだねぇ。油で炒めて、味付けはなんにもしなんで食っただって。何にも食うもんがねえだから、ほりゃあうまかったって言ってたさ。
今日は縄綯機で縄を綯ったこんを書くじゃんね。農具の展示室の一番端っこに縄綯機が置いてあるだけんど、置いてあるだけじゃあ資料館の意味んねえから、実際に縄を綯えるかどうか試してみとうさ。
こういうことは何っちゅったって館長さね。朝っから展示室にこもって、何をやってるずらかと思ってたら、「縄ん綯えたよ。」ってうれしそうに事務室に来たから、カメラを持ってかけつけとうさ。
縄を綯うにゃあ藁をすぐっていらん葉っぱをとって、たたいて柔らかくしてっからじゃあねえとできんからね。手で綯うでも同じこんさ。らっぱのようの形をしたとこへちっとっつやっこくしとう藁を入れるさね。器用もんの館長だけんど、足でペダルを踏むのと、藁を入れるのは一緒じゃあいっさらできんで、ドラムが反対の方へまわっちゃたりして困っとうさ。ほんだから藁をちっとっつ入れるのは手んだってやったさ。縄綯機を使いこなすにゃあ熟練の技が必要だね。
しばらくやってたら、縄んドラムに巻きついて、縄綯機らしくなったじゃんね。ドラムの右っかわに歯車がやたらとたいへんついてるけんど、どういう働きをするもんだかいまいちよくわからんだよね。足でペダルを踏むだけで、あっちこっちが連動して動くらしいことはわかるだけんね。これっから又調べてみるじゃん。
歯車はよくわからんけん、すごいのはこのカッターさ。隙間から斜めにのぞいてるのがそうだけんど、綯った縄の毛羽みたいな部分を切ってきれえにしてくれるさ。それもペダルと連動して回りながら切るさ。えらいもんじゃんね。
この縄綯機んいつ頃のもんだか知りたくて、よく見てみたら、広島県の「報国農機株式会社」っちゅうで作ったもんらしいさ。字は左から右へ書いてあるけんど、旧漢字が使ってあるし、会社の名前も戦前・戦中の会社のようの感じがするから、戦後すぐの器械ずらね。昭和30年ころになると、モーターで動く縄綯機が出てくるからね。そう思って「報国農機株式会社」を調べてみたら、今は「ホーコス」っちゅう会社になって、機械を作ってるらしいさ。昭和20年に報国農機株式会社になったっちゅうから、予想は当たってたねぇ。
農家の雨っぷりの仕事で、自分の家で使うだけじゃあなくて、規格に合わせて作れば売りもんになっただから、大事な現金収入の道具っちゅうわけだよね。まあ一家に一台っちゅうくれえ昔はあったね。
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