七草
富子だけんど、北海道や東北は吹雪で困るじゃんね。資料館じゃあ今日ははやばやお雛さんを飾っとうさ。早く春が来てくりょうばいいなあと思いながら飾ったさね。
きのうは「七草」だったけんど、七草粥は食ったけ?あたしもよく知らなかっとうけんど、1月7日は古来中国じゃあ「五節句」の一つで「人日の日」っちゅって、犯罪者の刑罰もやらんようにして、7種類の野菜のへえった羹(あつもの)を食う習慣があったらしいよ。その「人日」と「小正月」の風習が混ざって七草粥が食べられるようになっとうだって。小正月のお粥は小豆を入れた「小豆粥」で、やっぱし邪気を払うっちゅう意味があるだよね。
七草粥は邪気を払うっちゅう意味があるけん、お節料理で疲れた胃を休めるっちゅう意味も、冬の間足りなくなるビタミンとかを摂るっちゅう効果もあるだって。
お粥の中に入れるもんはこの時期に採れる野菜でいいし、地方によっても説によってもちごうけんど、14世紀には今言われてるような七草になったらしいよ。
かごにへえってるは「セリ・ナズナ・ゴギョウ・ハコベラ・ホトケノザ・スズナ・スズシロ」の七種類だけんど、こりゃあスーパーで買ってきたセットだから温室育ちさね。
セリ(芹)はちっくい頃よく田んぼの端っこや池にはえてえて、とってきておひたしにして食ったもんさ。独特のにおいがあるから子どもには好かれんよね。
ナズナ(薺)は春になると畑や野原にいっぺえはえてて、うちのほうじゃあペンペン草って呼んでたね。実をぶらぶらするように細工をしてチャラチャラ鳴らして遊んだもんさ。この草は麦と一緒に日本にへえってきた外国の植物だってさ。ほうは言って日本に来てっから2000年以上はたってるね。
ゴギョウ(御形)っちゅうはハハコグサ(母子草)のこんで、道ばたとかに生えてて、ちっくい黄色い花が咲くし、葉っぱに綿毛が生えてるからよくわかるさ。昔は草餅に使っただって。今はヨモギが餅草だし、旧大和村じゃあオオヤマボクチを使うけんどね。どれも綿毛があるのがおもしれえじゃんね。
ハコベラ(繁縷)はハコベ(繁縷)のこんで、花は白くてごやごや生えるから、セットの中にもいっぺえへえってたさ。
ホトケノザ(仏の座)は春先にピンクの花が咲くホトケノザじゃあなくて、コオニタビラコ(小鬼田平子)のこんだって。菊の仲間で黄色い菊みたいな花が咲くさ。
スズナ(菘)はカブ(蕪)のこんだから知ってるさね。まるっこい根っこの部分は、胚軸っちゅってどっちかっちゅうと茎だって。根っこはその下で、まあここは食わないね。
スズシロ(蘿蔔または清白)っちゅうはダイコン(大根)だから一番よく知ってると思うけんど、そう言われんとわからんよね。原産地は地中海方面だけんど、弥生時代には日本でも作られてたらしいから、古くっからある野菜っちゅうこんだね。大根は上の方が胚軸で、下の方のヒゲ根が生えてるとこが根っこだって、知ってたけ?ちなみに上の方が甘いからサラダで食って、下の方は汁も少なくて辛いから薬味にいいだって。
本当は「七草なずな、唐土の鳥は・・・」って歌いながら、野菜を切るどおって。まな板もトントンたたきながら歌うどおって。歌ってる間に邪気が逃げていきそうじゃんね。できあがったお粥を、湯気が立っている間にふうふう言いながら食ったら、あったまってうまかったぁ。冬はあったかいもんに限るね。
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