真綿の布団作り
富子だけんど、あとちっとで1月も終わりだねえ。すぐ春ん来るからいま少しがまんしとくんねえよ。
聞いとくんねぇ。うちに双子の孫が生まれとうさ。ちっくくて細っこいけんど、5本の指にゃあちゃんと爪もはえてぇて、不思議のようのもんどう。
ちっくいからちっくい布団を作ってやらっかと思って、めえ(前)っから買っといた真綿の布団のセットをとん出して、まゆ子に手んだってもらって真綿引きをしとうさ。なんちゅったてまゆ子は、小学生が見学に来るたんびに真綿引きをやって見せてるからうまいもんさね。
重なっとう真綿を1枚にはがすのが容易じゃないけんど、ちょいっと引っ張ると、はがれて2枚になるから、だんだんはがすのもうまくなってきてね。そりょう2人で引っ張って布団の大きさに伸ばして、重ねていくっちゅうわけ。25センチ角くれえの薄ぺらい真綿が、引っ張ると1メートル以上に伸びて、ふわふわになるさね。堅かっとう繭が、ふわふわの綿になるだから、すごいもんさ。真綿が引っ張り加減で方っぽうが厚くなっちゃたりするときもあるけんど、そういうときにゃあ薄いとこへ厚くなったとこを重ねるようにして全体を同しようの厚さにするさ。
広げた真綿を重ねていく
真綿っちゅうは、繭を煮て四角く広げただけだから、細い絹糸が1本につながってできてるだよね。ほんだから広げても糸は全部つながってるさ。近江真綿を使って真綿布団を作ってるとこをテレビで見たこんがあるけんど、うまいもんだよ。真綿もうまく、引っ張りやすく作ってあると思うけんどね。でっかい掛布団を作るように伸ばすだから、2メートルは伸ばすずらね。2日がかりで650枚もの真綿を引くらしいよ。全部シルクっちゅうこんだから値段もいいさ。
ほんだけんどシルクだからね。1本につながった糸でできてる綿だから、ほこりは出んから、アトピーとかアレルギーの人にはいいわけさ。その上シルクにゃあセリシンちゅう肌をきれえにするもんがへえってるだから肌の弱い人にもってこいだね。シルクは糸だけじゃあなくて、山ほど使い道があるだから。また養蚕を盛んにできればいいだけんどね。光る繭とか、蜘蛛の糸の遺伝子を組み込んだ繭とか、せっかく研究してる人もいるだから、いっぺえ作って日本から世界へ売り出してえじゃんね。
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