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2014年12月 3日 (水)

中込さんの繭が生糸になる松澤製糸所3(揚返~編)

Photoこんにちは、まゆこです。

本日も、「長野の製糸所で教えてもらったこと」をお伝えします。

Dsc_1377

繰糸機で繭から小枠に巻き取られた糸は、隣の建物に運ばれ揚返し工程が行われます。

繰糸した糸をそのまま置いておくと、煮繭でいったん柔らかくなったセリシンが再び冷え固まって糸同士をくっつけてしまうため、固着する前に(繰糸したその日のうちに)「揚返(あげかえし)」といって、糸を乾かしながら大枠に巻きなおす作業をします。

松澤製糸所では、外周1.5mの一つの大枠に5本分を同時に巻きなおしていました。

Dsc_1325

こちらは宮坂製糸所の揚返機

 

 この揚返マシーンの中心部には発熱する金属製のパイプがあり、生糸を乾かしながら揚返すようになっている他、松澤製糸所の揚返機には、糸が絡んだりなどしてできた節を感知すると自動的に切断して作業者に知らせる装置もついています。

Dsc_1381
揚返しが終了すると、作業者が大枠を手前にスライドさせ、枠に巻いたままの状態で、最初と最後の糸口がわかるように色付きの木綿糸で縛ります。

 さらに、糸同士がもつれないように「ヨコ8の字」にピンク色の木綿糸をかける作業をしていました。

 

松澤製糸ではこの作業を「あむ」と呼んでいましたが、一般的に「あみそがけ」ともいうようです。

 

職人さんがピックのような器具で糸の間を3か所突き刺すと、あら不思議!「ヨコ8の字」にピンクの木綿糸でかがられているのです。マジックをみているようにあざやかな手つきに、「すごーい技ですよねぇ!」と感嘆すると、「最初のうちは糸を切っちゃうんだよね」と社長。 やはりたいへん難しい職人技のようです。

これまでの説明で、松澤製糸所では最新鋭の様々な機械をつかって繭から生糸をつくりだしていることがわかりましたが、その工程の要所要所では技術を極めた人間の手が必要不可欠なこともよく理解できました。

Dsc_1387また、スゴイ最新鋭の煮繭機や繰糸機を稼働させるために必要な大量の湯は、社長自らがボイラー担当で廃材を使った薪を燃やすことで、燃料代を節約しているそうです。

Dsc_1382

 

松澤製糸所で「あむ」作業が終わり、生糸が大枠からはずされているところです。

 このあとは、宮坂製糸所で見せていただいたように、綛造り→括造りがされ、袋詰めされて出荷されます。

 

Dsc_1419出荷される括(かつ)には生糸生産者がわかるように、通称「チョップ」といわれる商標ラベルがつけられます。 いただいてきた松澤製糸所と宮坂製糸所のチョップ。

 明治以降生糸が多く輸出されていた時代は、生糸生産者たちはこの小さな紙切れであるチョップにも工夫を凝らし、欧米人受けするように日本的な繊細で美しい絵柄を用いたそうです。(このチョップについては、当館にも様々な美しい絵柄をもつ「チョップコレクション」がありますので、来年度のミニ企画展で取り上げる予定ですよ!)

 

以上、松澤製糸所での製糸過程を見ていただきました。

Img_0080
中央市の中込さんの繭は、山梨県内の他の13軒の養蚕農家の繭とミックスされて煮繭され、繰糸されるようでした。

 今後、富士吉田市で織物になるところまで取材できればいいなぁと欲のつきないまゆこです。

 お忙しい中、お仕事を中断してまで、詳しく色々なことを私たちに教えてくださった宮坂製糸所と松澤製糸所の皆さんに本当に感謝しています。

 もう稼働していない富岡製糸場ばかりに注目が集まっていますが、まだ宮坂製糸所や松澤製糸所など、貴重な国内製糸の歴史を現在も引き継いでいる方々が頑張っていてくださることに、私たち日本人はもっと注目して応援すべきだと考えさせられました。

 

まゆこ

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