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2014年12月25日 (木)

米の脱穀

Tomiko
 

 富子だけんど、元気けぇ。いよいよおしつまったじゃんね。としょおとると(年をとると)1年が短くなって困るよう。ちったあ正月の準備もやってるけ?

 ちごうこんばっか書いてたから、いっさら番がまわってこなかったけんど、ようやっと米の脱穀のこんを書けるさ。へえとっくにやっとうどうけんど、今になっちまって、忘れちゃったこんもあるかもしれんね。

Dscn64652  千歯扱きでの脱穀

 上の写真は資料館おなじみの「千歯扱き」で、田富北小学校へ貸し出したのとおんなじだねえ。一束をいっぺんに扱かっかすると、1回じゃあ実は落ちてくれんから、何回か扱かんとだめだね。

Dscn64672 籾とともに稻藁が混じる

 見てくれちゃあ。扱いたあと、葉っぱがいっぺえ混ざっちゃてるじゃんね。こりょう取るに小麦のときゃあ手回し扇風器を使っとうけんど、こんだ「千石(唐箕)」を使ってみとうさ。ちょっくらモミを受ける箱の置き方がまちがっちゃっとうけんど、ご愛嬌でかにんしてくりょう。

Dscn64682 そこで千石が必要になる

Dscn64702 右が重い籾、左が軽い籾

 右っ側が実がちゃんとへえってるモミが落ちる箱っちゅうわけ。実がいってると、風で飛ばしても重いからすぐ落ちるわけんな。

Dscn64762 籾を落とす量を調整する仕組み

 この「千石」は風選めえ(前)のモミを落とすに、おもしれえ仕組みを使ってるら?取っ手を上の方へ上げると蓋ん閉まって、モミんちっとっつ落っこちるようになって、下へ下げるっちゅうと蓋んあかって、モミんいっぺえ落っこちるっちゅうわけ。常設展示室に飾ってある「千石」は蓋を引き出して調節をする仕組みで、あたしんちっくいころ使ってとう「千石」も同じ仕組みだったさ。

 羽は4枚ついてて、その軸だけん鉄で、あとは全部木でできてるさ。常設展示室の「千石」はこれより古くて、羽は3枚だね。昔のしゃあえらいじゃんね、ちゃんと買った日が書いてあるさ。資料館のいろいろな道具にゃあ、けっこう日付んへえってるもんがあるよ。

Dscn64752_2 千石の墨書(ハンドルの上にある)

 昭和13年の4月に買っただよね。墨で書いとくと、80年近くたってるっちゅうに、ちゃんと見えるだからね。今での筆記用具にゃあまねはできんね。墨の字は消えちゃっても読める機械(赤外線カメラ)があるからね、大事なこんは墨で書いとけし。

 

 

2014年12月21日 (日)

折藁蔟をつくってみた!

Photoこんにちは、まゆこです。

今日は念願の折藁蔟(おりわらまぶし)作りに挑戦しましたよ! 

Dsc_1331折藁蔟とは養蚕用具の一つで、育てた蚕に繭を作らせる場所となる道具です。
Dsc_1330_2

 現在ではボール紙製の回転蔟が主流ですが、それ以前は稲藁を各家庭で加工して蔟を作っていました。

 当館には藁蔟を製作する道具が多数収蔵されていますので、以前から実際に使い方を確認したいと思っていたまゆこ。

 むかしは農閑期を利用して大量に藁蔟をつくって軒に吊るしておいたと聞いています。

 幸い、正月注連飾り教室で使用した材料の藁が余っていたので作ってみました(もちろん、器用な館長も巻き込んで♪)! 

Dsc_1274_2こちらが折藁蔟製造器

 藁を針金と木枠ではさみ込んで上部にセットし、ハンドルの右と左を交互に内側に倒すと、鉄製の蓋のようなものが開閉し、藁がジグザグに折りたたまれていく仕組みです。

Dsc_1277結束用の藁を数本置いてから、折る藁をセットします。

Dsc_1285
 

 まず、右のハンドルを内側に倒して折り目をつけたらまた元の位置に戻し、

 次に左のハンドルも同様に内側に倒して折り目をジグザグにつけていきます。

 

Dsc_1316

 ハンドルを動かしている間、セットされた材料の藁を見ていると、

まるでプリンターのシートフィーダのように、藁が折られて吸い込まれていきます。

Dsc_1325

 

 最後に、結束用に敷いておいた藁の両端を結んで、型が崩れないように束ねて出来上がり!

出来上がった蔟は下に押し出されます。

Dsc_1327昔の藁と違って、丈が短いので、ずいぶん小ぶりな折藁蔟になってしまいました。

 でも、またひとつ、昔の道具の使い方がしっかり理解できてご満悦のまゆこです。 ふふっ♪ 来年育てるお蚕ちゃんにはこの折藁蔟でも繭をつくってもらいましょう!

 富子さんにも褒めてもらえるかなぁ。

 つぎは、もうちょっと加工が高度な「改良藁蔟」つくりに挑戦しなくちゃね!

まゆこ

2014年12月20日 (土)

重さをはかる(5)

 ミニ企画展「重さをはかる」を見て、「うちにもこういう秤がありますよ」と棹秤と皿秤を寄贈してくださった方がいました。そこで、どこで製造されたものか、またはいつごろのものかがわかるような印がないかていねいにさがしていくと、見つかったのは、笠の中に片かなの「モ」が入ったようなマーク。そして丸茂製という文字。

Dscn654022 いただいた皿秤

Dscn65422 不思議なマーク発見

 さっそく丸茂という会社を調べたら、なんと山梨県の会社、そして驚いたことに中央市に本店を置く、事務機器メーカーとして知られるマルモさんでした。明治8年に丸茂本店の度量衡部として創業し、明治43年には衡機製作の免許を得て、秤の製造も行っていたのです。マークは「丸」にかたかなの「モ」を組み合わせたものだったのです。

 山梨には明治27年創業の甲府秤座藤波度量衡店という秤屋さんもありました。明治30年代のチラシには、製作・修復・販売と書いてあるので、製造も早くからしていたと思われます。

 そこで、資料館の秤の製作所のついてもう一度見直してみました。するとやはり藤波のものと丸茂ものがほとんどでした。

Dscn65272_3 丸茂製のおもり

Dscn65342_3 富士山のマークの藤波製おもり

 昭和30年代ころは県内に秤業者が何軒かあったようですが、資料館の秤で山梨県のものとわかるのはこの2社ともうひとつ梅のマークの秤店です。

Dscn65362 梅に山のマークのおもり

 裏側に山梨とあるので、山梨県のメーカーであることはわかるのですが、なんという会社のものかはわかりません。

 先日中銀の金融資料館を見学させていただきましたが、そこにも丸茂の「れいてんぐ」と「杠秤(ちぎばかり)」が展示してありました。れいてんぐは銀をはかるのに必要なものですから、金融資料館にあるのは当然ですが、おもしろいのは、杠秤です。なんとお金を貸す担保として、繭をはかって預かったのだそうです。繭は貴重品ですから、担保としての価値が十分あったのだそうです。また、中銀の市川支店には紙をしまうお倉があって、市川和紙が担保となったのだそうです。

 話が秤からそれましたが、重さをはかるというテーマ一つとってもなかなか奥が深いですね。

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2014年12月18日 (木)

正月を迎える準備

Photoこんにちは、まゆこです。

Dsc_1270

注連飾り作りに続いて、館長は正面玄関脇の祠にも牛蒡じめのお飾りをつくりましたよ。

 館長はほんとうに器用なんです!

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正月にいらっしゃる「お年神さま」をお迎えするにあたっては、1213日に「煤払い(すすはらい)」を始め29日までに準備を終える、といわれています。

特に餅つきは「苦がつく」といって29日には搗きません。また、注連飾りや門松も29日や、一夜飾り(大晦日に飾ること)は嫌われます。

 

当館の正面ウィンドウディスプレイ(通称「まゆこの部屋」)も、掃除をして、館長が障子も張り替えてくれたので、年神さまをお迎えする準備の様子をディスプレイしてみました。

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題して

「オモッセイ(大晦日)の風景」です

この家では煤払い障子の張り替え餅つきも終わり、注連飾りオスワリ(鏡餅)等も準備できました。

 

大忙しのお母さんは、今晩から使うハレの日の器を倉から出してきて磨いています。 この後は七色を詰めたおせち料理も大量に作らなくてはなりません。

 

あら、その横で気の早い子供たちはもう正月遊びに興じていますよ」

 

というような設定で飾りました。

 

 

 

 正月の子どもの遊び道具として、凧や独楽、双六、百人一首、いろはがるた、少女羽子板等も展示しています

当館は1228日(日)~15日(月)まで、年末年始のお休みをいただきます。

この期間中にシルクの里公園にいらしたお客様でも、こちらのウィンドウディスプレイは観ていただくことができますよ! 27日までにちょっとずつ変化させて、新年仕様にバージョンアップしていこうかなぁと考えているまゆこです。

 

まゆこ

 

2014年12月16日 (火)

ふわふわヒツジを作りに来てね

 来年の干支は未です。そこで資料館では、綿を使ってヒツジを作れないかと試行錯誤してきました。そのために綿も昨年よりたくさん栽培しました。そして、豊富の資料館らしく、ここで飼育した繭も使っています。

 やっとみなさんに「かわいい!」と言ってもらえるヒツジができましたので、ぜひ皆さんにも作ってもらいたいと思って、お正月イベントを用意しました。

まずは、かわいいヒツジを見てください。

Dscn65222 立体クラフト

 なかなかいいでしょう。作り方は簡単です。もうひとつあります。これも見てください。

Dscn65232 カードタイプの平面クラフト

 こちらはカードタイプです。立ててもいいし、壁にかけてもいいですよ。

 イベントの詳しいことは、下のチラシを見てください。

2

 本物の綿を見たことがない人も多いと思いますが、ふわふわの綿の中には種が入っています。種をとって使いますから、その種を春になったら自分で蒔くこともできますよ。

 1月10日~12日は3連休で、しかも入館は無料です。申し込みの必要はありませんので、都合のいい日に来てください。2種類のクラフトとも50頭分の材料が用意してありますが、なくなりしだい終了とさせていただきます。カードタイプのヒツジは無料で作れますが、立体のヒツジは1頭50円の材料費をいただきます。ぜひお越しください。お待ちしています。

Dscn63792 待ってるよ 

2014年12月12日 (金)

注連飾りの「輪じめ」のつくり方

Photoこんにちは、まゆこです。

Dsc_1237_2
当館では、地元の山梨県中央市豊富地区の方がつくってきたカタチの注連飾りを教えていただき飾っています。

輪じめ」に穂付きの藁を扇形に細工したものを組み合わせたもので、

さらに、おかめ・松竹梅・扇・ウラジロ・海老・紅白紙垂の飾り物をつけて豪華につくります。

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しめ飾りの材料

 今回はその豊富オリジナル注連飾りの一部である、注連縄を輪にした「輪じめ」の作り方をみていただこうかなぁと思います。 

 Dsc_1245_2

「輪じめ」のつくりかた:

 その年の稲を青刈りした長めの藁を使い、折れないように注意深く葉をとり、根元を揃えて束ねます。

綯いやすくするために木づちで叩いたりはせず、前の晩に510分水に漬けて柔らかくしておきます。

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束ねた藁を均等に3つに分けます。

 

Dsc_1145縛った根元を上にして、そのうち二つの束を持ち、それぞれ右へ右へと捻じれるように巻き込んで先端を結び合わせます(根本を手前に置くと、左へ左へ捻じっていることになります)。

Dsc_1207そこに最後の一束を同じように捻じりながら巻きつけていくと、「左綯い(ひだりない)」の縄が完成です!

Dsc_1155
捻じりから飛び出た藁はハサミで切って整えます。

この状態の注連縄を「牛蒡(ごぼう)じめ」と呼ぶようですよ。

この牛蒡じめを丸めて輪にして結ぶと、しめ飾りの基本形「輪じめ」が出来上がります♪ 

 

日常使いの縄やわらじ等は、綯いやすくするために藁打ち(わらをたたくこと)したり、注連飾りとは逆の「右綯い」でつくります。

 左綯いでつくる注連縄や注連飾りには、「神さん」に捧げるという、特別で神聖な思いが込められているのですね。

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注連飾りは、正月に「お年神さん」をお迎えするために準備した清浄な場所を示しているといわれています。

 先日の注連飾り作り教室では、エントランスホールいっぱいに新しい藁の匂いがふんわりと広がって、とても清々しい気持ちになったまゆこです。

 

 

 しかし、注連飾りを家で飾るには、まず家中を煤払い(大掃除)してきれいにしなければなりませんなぁ。

う~ん、一年で我が家にたまったほこりや穢れ、猫の毛などを思いうかべ、一瞬のうちに濁った気持ちがまたよみがえってしまった、残念なまゆこです。

 この時期になると、清浄で美しい生活を日々を送っている富子さんを見習はなければと、深く反省します。

まゆこ

2014年12月11日 (木)

H26正月注連飾りと凧作り教室のご報告

Photoこんにちは、まゆこです。

 

去る127日(日)、当館エントランスホールにて恒例の注連飾り・凧作り教室が開かれ、今年もたくさんの参加者がありました。

Dsc_1170午前に開かれた正月注連飾り教室。

お正月にいらっしゃる「お年神さん」をお迎えするために飾り付ける注連飾りは神聖なものなので、普段使いとは違う「左綯い(ひだりない)」にします。Dsc_1152

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しかも、ぎゅっと力を込めて締めなくては美しい注連縄になりませんから、それぞれのご家族で力を合わせて綯っていました。

 

Dsc_1185

完成した注連飾りをもってみんなで記念撮影!

午後は凧作り教室が開催されました。

Dsc_1191みなさん、個性的な絵柄を自由に描いています。

Dsc_1198

Dsc_1220出来上がって記念撮影した後は、

Dsc_1228さっそく隣のシルクの里公園で飛ばしてみます。
Dsc_1230 あいにく風が弱かったので、思うようにこの日は上げられませんでしたが、お正月遊びの準備も整って、みなさん晴れ晴れとしたお顔で帰って行かれましたよ!

「また来年もこよ~っと」と言ってくださる方も多くいらして、とってもうれしかったまゆこです。

豊富地区で作られてきた注連飾りを教えてくださった田中正八先生、凧作りを教えてくださった風林火山凧の会の渡辺高一先生、その他お掃除等いろいろとお手伝いくださった中央市歴史文化ボランティアの皆さん、本当にありがとうございました。

まゆこ

 

2014年12月10日 (水)

田富北小5年生の脱穀体験

12月3日のよく晴れた日に、田富北小学校に出かけました。市教育委員会の担当者2名と3人で、昔の道具を持って、子供たちが小学校で収穫した稲の脱穀作業を行うためです。

Img_9908

最初の道具は、千歯コキです。稲束を尖った鉄の歯に振りおろし、力を入れて引き抜くと籾が落ちます。

Img_0010

次は足踏み回転脱穀機です。ずいぶんと楽になりましたが、子供たちと一生懸命踏んだので、次の日は足が痛くなりました。たちまち籾が取れるのに、子供たちもびっくり。でも、わらもたくさんとれました。ごみの藁と籾をどうして分けるのか、それは次の作業です。

続きを読む "田富北小5年生の脱穀体験" »

2014年12月 9日 (火)

白菜を漬ける

Tomiko

 富子だけんど、このめえ(前)ビオラがこごえてたことを書いたけんどさ、かわいそうだからビニールハウスを作ってやったさ。今日見たら、前よりちったあよさそうだったけんどね。人間も寒いとろくなこたあねえから、ぬくとくしててくりょう。

 聞いとくんなって。こないだ漬けた白菜の水ん上がってきとうさ。うちの畑でとれた白菜と、こないだの干し柿の皮と柚子と昆布と唐辛子で漬けただけんどね。まあ、漬けたのは私じゃあなくて、いつもながらの館長だけんどさ。

Img_00252 白菜を四等分にする

 12月6日の土曜日に白菜を切って干したさ。この景色が冬らしくていいじゃん。ほんだから1週間くれえみんなに見てもれえてえようと思ってたら、その日のうちに漬けちもうだよね。ほんとに干してるところを見てもろうっちゅうわけにいかんから、写真で見てもろうしかねえっちゅうこんさ。白菜は四つに切ってっから、芯に切れ込みょう入れとくさ。

Img_00272 日の当たるところに半日干す

 半日干して、塩を手に一つかみつかんで、よく白菜になすりつけてっから、桶に漬けこむさ。一回りするように並べたら、その上に柿の皮だの昆布だのをふりまくさね。やたら唐辛子の輪切りを振りまいてたら、館長が「そんなに入れると、辛くて食えんよ。まあ辛いのが好きな人はいいけんどね。」 頼りない助手ばっかだから館長も頭がいてえ(痛い)さね。

Img_00332 塩をすりつけて漬け込む

 3段に白菜を並べて上にいらない葉っぱをのっけて、中蓋をして、重しを乗っけて、日陰に置いてその日の作業は終わりだね。あとは塩ががんばってくれたさ。

Img_00432 重しをのせる

 今日水が上がってるかどうか心配になって見てみたら、すごいじゃん。館長が「塩が少なかったから、水が上がるか心配だったけんど。」と、ほっとしてとうさ。皿にのっけて記念撮影をしてみとうけんど、なかなかいい顔をしてるらもの。そうそう切って、鰹節をのっけて食っててみたら、いい感じに漬かってたさ。もうちっと味がなじむともっとうまくなると思うよ。

Img_00552 浅漬けの白菜おいしいよ

2014年12月 6日 (土)

冬が来た

Tomiko

 富子だけんど、今日は寒いじゃんね。あっちこっちで雪がたいへんに降って、車ん立ち往生してるどうっちゅうじゃんけ。今年も大雪ん降っちゃあ困るよう。

Img_00152 氷の下で金魚が泳ぐ

 今朝来たら、金魚の鉢が凍ってえて、びっくらしたよう。中の金魚は氷の下でちゃんと泳いでたけんどね。プランターのビオラにも霜がいっぺえついて、かじかんでたね。動物も植物も人間も、あんまし寒いのはおごっさんだよね。小麦のプランターは霜柱が立ってとうけんど、小麦はけっこう元気だったからすごいもんだ。

Img_00182 霜がついて寒そうなビオラ

 昨日は、まゆこの部屋も正月をむけえる準備をしねえばっちゅうこんで、館長が障子貼りをしとうさ。今どきやあ、障子のあるええ(家)もだんだん少なくなっちゃって、わけえしゅんとう(若い人たち)は、障子なんか貼ったこともねえと思うけんど、あたしの子どものころは、部屋の境はみんな障子だったから、暮れになると何十本も貼ったね。天気のいい日に外へ持ち出して、ホースで水をかけて、古い障子紙をはがして、雑巾でほこりを取って、しばらくかわかしてっから新しい障子紙を貼るっちゅうわけ。

Img_00012 なんとチュウブの糊を直接塗る

 今とちがって1枚貼りなんちゅうもんはねえから、巻紙のような紙を何段にも貼らんと1本の障子が仕上がらんだから、えらいこんだ。1日がかりだったね。水をかけて障子紙をはがすときに、よく紙を浮かせてからはがすと、いっぺんにすーっとはがれて気持ち良かったもんさ。

Img_00042 1枚貼りの紙をのばす

Img_00082 まゆこの部屋に取り付ける
 

 昨日の障子貼りは、糊をつけた障子の桟に、片っかわをクリップで止めた1枚貼りの障子紙を広げて、糊付けをするさ。ほうしたら余分なとこをカッターで切って、最後に霧を吹いてできあがりっちゅうわけ。できあがった障子を、まゆこの部屋の障子の枠にくっつけて、これで正月が迎えられるっちゅうこんだね。きれえになってよかったよう。

2014年12月 4日 (木)

日本刀の手入れ

 今日は朝から冷たい雨が降っていて、お客さんの出足も鈍いだろうということで、館長は日本刀のお手入れを始めました。

 日本刀のお手入れはよくテレビの時代劇などで、ポンポンと打ち粉をうっているのを見ますが、展示している日本刀も年に何回かはお手入れをしないと錆びてしまうのです。

Dscn64902_2 拭い紙で油をふき取る

 日本刀のお手入れは、古い油を拭い取って、新しい油に塗り替え、刀身が錆びないようにするものです。お手入れ用の七つ道具は、目釘抜(めくぎぬき)、打粉(うちこ)、拭い紙(ぬぐいがみ)、油、油塗紙(あぶらぬりがみ)などです。

Dscn64932 打ち出の小槌の形をした目釘抜

 目釘抜は真鍮製で縁起を担いで「打ち出の小槌」の形をしているものが愛用されているそうです。

Dscn64942 目釘に当てる釘と槌に変身

 頭の部分はねじになっていて取り外すことができ、取りにくい目釘をコンコンとたたいて外すことができるようになっています。今回は目釘は抜かないままお手入れをしたのですが、やさしい館長はちゃんと抜き方を実演して見せてくれました。

 古い油をよく拭ってから、下の写真のように打粉をうちます。丸いタンポンの中には砥石の白い微粉末が入っていて、これで油をとりのぞくことと、錆びを取り除くことの両方をするのだそうです。この後また拭い紙でよく打粉をぬぐってから油を塗ります。

 油は「丁子油」といいますが、現在は酸化の遅い鉱物性の油を使うようです。昔はツバキ油に丁子油を加えて香り付けをしていたのではないかといわれています。

Dscn64882_2 打粉をうつ

 

 上の写真の刀は脇差で、銘は「備州長船勝光」とあります。銘が本当であるかどうかはわかりませんが、室町時代の脇差であることは確かなようです。もう1本の江戸時代の脇差より軽くて、扱いやすそうでした。実際に使うことはほとんどなかった江戸時代の刀より、実戦向きにできているようです。私に持たせたら振り回すに違いないと思ったのでしょう。「振り回さないように」と、ひとことあってから持たせてくれました。

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その後、新しく展示した飯室家の刀もお手入れをしました。ここには大小5本の刀が収められているので、お手入れの時間もかかります。今日は全部で8本の刀のお手入れをしたことになります。

2014年12月 3日 (水)

中込さんの繭が生糸になる松澤製糸所3(揚返~編)

Photoこんにちは、まゆこです。

本日も、「長野の製糸所で教えてもらったこと」をお伝えします。

Dsc_1377

繰糸機で繭から小枠に巻き取られた糸は、隣の建物に運ばれ揚返し工程が行われます。

繰糸した糸をそのまま置いておくと、煮繭でいったん柔らかくなったセリシンが再び冷え固まって糸同士をくっつけてしまうため、固着する前に(繰糸したその日のうちに)「揚返(あげかえし)」といって、糸を乾かしながら大枠に巻きなおす作業をします。

松澤製糸所では、外周1.5mの一つの大枠に5本分を同時に巻きなおしていました。

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こちらは宮坂製糸所の揚返機

 

 この揚返マシーンの中心部には発熱する金属製のパイプがあり、生糸を乾かしながら揚返すようになっている他、松澤製糸所の揚返機には、糸が絡んだりなどしてできた節を感知すると自動的に切断して作業者に知らせる装置もついています。

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揚返しが終了すると、作業者が大枠を手前にスライドさせ、枠に巻いたままの状態で、最初と最後の糸口がわかるように色付きの木綿糸で縛ります。

 さらに、糸同士がもつれないように「ヨコ8の字」にピンク色の木綿糸をかける作業をしていました。

 

松澤製糸ではこの作業を「あむ」と呼んでいましたが、一般的に「あみそがけ」ともいうようです。

 

職人さんがピックのような器具で糸の間を3か所突き刺すと、あら不思議!「ヨコ8の字」にピンクの木綿糸でかがられているのです。マジックをみているようにあざやかな手つきに、「すごーい技ですよねぇ!」と感嘆すると、「最初のうちは糸を切っちゃうんだよね」と社長。 やはりたいへん難しい職人技のようです。

これまでの説明で、松澤製糸所では最新鋭の様々な機械をつかって繭から生糸をつくりだしていることがわかりましたが、その工程の要所要所では技術を極めた人間の手が必要不可欠なこともよく理解できました。

Dsc_1387また、スゴイ最新鋭の煮繭機や繰糸機を稼働させるために必要な大量の湯は、社長自らがボイラー担当で廃材を使った薪を燃やすことで、燃料代を節約しているそうです。

Dsc_1382

 

松澤製糸所で「あむ」作業が終わり、生糸が大枠からはずされているところです。

 このあとは、宮坂製糸所で見せていただいたように、綛造り→括造りがされ、袋詰めされて出荷されます。

 

Dsc_1419出荷される括(かつ)には生糸生産者がわかるように、通称「チョップ」といわれる商標ラベルがつけられます。 いただいてきた松澤製糸所と宮坂製糸所のチョップ。

 明治以降生糸が多く輸出されていた時代は、生糸生産者たちはこの小さな紙切れであるチョップにも工夫を凝らし、欧米人受けするように日本的な繊細で美しい絵柄を用いたそうです。(このチョップについては、当館にも様々な美しい絵柄をもつ「チョップコレクション」がありますので、来年度のミニ企画展で取り上げる予定ですよ!)

 

以上、松澤製糸所での製糸過程を見ていただきました。

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中央市の中込さんの繭は、山梨県内の他の13軒の養蚕農家の繭とミックスされて煮繭され、繰糸されるようでした。

 今後、富士吉田市で織物になるところまで取材できればいいなぁと欲のつきないまゆこです。

 お忙しい中、お仕事を中断してまで、詳しく色々なことを私たちに教えてくださった宮坂製糸所と松澤製糸所の皆さんに本当に感謝しています。

 もう稼働していない富岡製糸場ばかりに注目が集まっていますが、まだ宮坂製糸所や松澤製糸所など、貴重な国内製糸の歴史を現在も引き継いでいる方々が頑張っていてくださることに、私たち日本人はもっと注目して応援すべきだと考えさせられました。

 

まゆこ

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