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2014年11月24日 (月)

ミニ企画展「重さをはかる」(4)

以前にも検位衡について少し触れましたが、大正10年に日本度量衡協会神奈川県支部から出された『計量機の種類及構造の概略』という本を見ることができ、おもしろいことがわかったので、改めて取り上げてみたいと思います。

 

まず、検位衡は検尺器とともにセットで使われることが必要です。なぜかというと生糸450mを正確にはかり取り、その重さをはかってはじめて繊度(糸の太さ、デニールで表す)がはかれるからです。検尺器は正六角形の枠を回転機に組み込んであり、枠は1周1.125mですから、これを400回回転させると450mとなります。450m分の重さが50mgであるとこれを1デニールといいます。普通、繭1個(つまり1本)の繊度は2.6デニールです。1デニールは1本の生糸(0.01mmくらいの太さ)より細いというわけです。

Dscn59112 岡谷蚕糸博物館の検尺器

Dscn63682 豊富郷土資料館の検位衡

 450mを生糸の繊度を決める標準の長さとするのですが、製糸工場では生糸の節約と手間を省くためその半分の200回転の長さで検位衡にかけることがほとんどでした。また蚕糸学校や研究用には100回転で検位衡にかけることもあったそうです。

 そういうわけで、100回転で検位衡にかける場合は、1デニールの重さは5mgの4分の1の重さが1デニールであり、200回転で検位衡にかける場合は5mgの半分の重さが1デニールですから、使用するときに間違えては大変なので、検尺器と検位衡の双方に回転数を表記することに決まっているそうです。輸出用に繊度をそろえる必要が生じた明治時代にはすでに、検尺器と感度の高い検位衡が使われていました。

Dscn63702 200回転用の検位衡

Dscn63642 150回転用の検位衡

 というわけで、あらためて資料館の検位衡をみてみると、200回転が2つで、150回転が1つでした。200回転はごく一般的なものですが、150回転というのはめずらしいものではないかと思います。これらの検位衡は、山梨県の蚕糸検査事務所というところで使われていたものなので、150回転という検位衡もあったのでしょう。

 資料館の検位衡は、まゆこのブログでもとりあげたことがある岡谷の増沢工業製です。明治29年創業の総合製糸機械メーカーです。検位衡も時代によって一部木製からすべて金属製へと少しずつ形が変わってきますが、現在も使われているのはこの形で、見学させていただいた岡谷の宮坂製糸でも松沢製糸でも同形のものが使用されていました。

Dscn63502 増沢工業のロゴが入っている

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