括造器(かつづくりき)
こんにちは、まゆこです。
先日、「括造器(かつづくりき)」とよばれる道具が当館に寄贈されました。
韮崎市でかつて生糸商をなさっていた家にあったものだそうです。
これは生糸を出荷する際、糸の損傷を防ぎ、荷造りや運搬をしやすくするために、ねじ造りした生糸の綛(かせ)を結束するための道具です。
括造器によって締められ長方形にガッチリと結束された綛は『括(かつ)』と呼びます。
寄贈された『括造器』 タテ23㎝×ヨコ30㎝×高24㎝(木枠内の高さ)
ハンドルを緩めた状態で高さは約40cm。(本物の生糸でできた綛の代わりに、紙を丸めたものをセットしています)
この『括造器』はいつごろまで使用され、また、実際にどうやってこの道具で『括』を作るのでしょうか?
特に結束する紐をどのようにこの括造器の溝に通して、綛を固く束ねていたかが想像できません。
展示をしても来館者のみなさまに説明ができなくては困るので、来週の休館日にスタッフ皆で長野県の製糸会社に調査に伺おうと計画しています。
岡谷市にある宮坂製糸に問い合わせてみたところ、岡谷市でも今から40年位前まで括造器を使っていたと教えてくださいました。
そして、宮坂製糸では現役の職人さんのうちのお一人が昔のやり方の『括』を造ることができるということでした!
なので是非、この括造器を持参して、その技を見せていただこうと考え、お願いしました。
また、岡谷市の隣町の下諏訪にある松澤製糸所は中央市の中込さんの生産した繭が糸にされる工場なので、こちらの工場の様子も是非取材したいと思っています。
長野県岡谷市の宮坂製糸の皆さま、下諏訪町の松澤製糸の皆さまに、来週の月曜日にお世話になる予定です。
山梨県は、群馬県の富岡製糸場開業からわずか2年後の1874(明治7)年に、県営の勧業製糸場を建設し、早くから器械製糸工場が発達した歴史があるのですが、現在、製糸工場は1件も存在していません。
ですから、お隣の長野県の方々にお聞きする他ありません。よろしくお願いいたします。
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