葛(1)
富子だけんど、また台風ん近づいてるじゃんね。今日は久しぶりに小学生の見学があって、あたしのこんをだれも教えんに、「富子」って知っててびっくりしたさ。おもしろいじゃんね。
きょうは葛の話をちっとしっかと思ってるさ。葛から糸を取って織物を作らっかと思ってさ。
これん(これが)資料館の石垣のとこに生えてる葛だけんど、ここだけじゃあなくてまわりじゅうなんぼでも生えてるさね。これを利用しん手はねえと思ってさ。ほれこさ(それこそ)好きなだけ糸んとれるじゃん。
9月の6日に試しにちっと糸をこせえて(こしらえて)みっかと思って、葛を切ってみとうさ。本当は春のまだツルんやっこいうちに取ったほうがいいらしいけんど、切ってきとうツルは、固いし枝は出てるし、ほかのツルとからまってるし、いいとこはねえようのツルだったさ。しょうがねえさね、思いついとうが9月になってからだったから。まあまた来年の楽しみがあるっちゅうもんさ。
葉っぱをとってまるめて鍋で煮れるようにしてみたけんど、太いとこあり細いとこありで煮るのもえらそうだよね。ほれに(それに)葉っぱの出てるとこが節になってて、そこが固いだよ。ツルの上と下がしっかりわかるように束ねたほうがいいらしいけんど、葉っぱを取ってたらどっちが上でどっちが下だかわからんようになっちゃったさ。あたしゃあ何をやってもええかげんだからね。
うち(家)にゃあそんねんでっかい鍋はねえけんど、とりあえず一番の鍋にむりやりつっこんで煮てみとうさ。まあ煮ればちったあ(少しは)やっこく(柔らかく)なるから、鍋ん中でひっくりけえしたりして15分か20分煮たと思うよ。煮えると色が変わるらしいけんど、あんまし変わらんじゃんね。太いとこと細いとこがあるから、太いとこが煮えるようにちっと長めに火にかけとうさ。
火からおろしたら水につけて一晩おいといとう。水につける理由もあると思うけんど、見たとこ変わりがねえから実際なんのために水につけるかは科学的にはわからんね。野菜をゆでて水につけるのとはわけんちごうと思うけんど。
明日はこっから繊維を取んだすさ。どういうもんになるだか楽しみにしててくりょう。
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