葛(2)
富子だけんど、いなように暑いじゃんね。今年の大雪で資料館の屋根も瓦が落っこちたり樋がこわれたりしとうさね。やっと直してもろう工事ん始まったさ。直すとこが多くて、手間も資材も足りんだって。雨漏りがしちゃあ困るようって思ってたけんど、直してもれえてよかったよう。足場ん組んであって、へえり(入り)にくいかもしれんけんど、休みじゃあねえから遠慮しんでへえってくりょう。
今日も、せんころ(先頃)の続きの葛の糸作りのこんだよ。
一晩水ん中へつけといとうツルを、発泡スチロールの箱ん中へ入れてビニール袋で包んどいたさ。本当は刈った草の中へ入れといて発酵させるらしいけんど、刈った草んそんなにねえし、発泡スチロールの中でも発酵するって聞いたからね。おまじない程度に刈った草も入れたけんど、役に立っただか立たんだかわからんね。
2日ばっかほっぽといたら、ちっとカビんきてるようだったから、早々箱から出して水で洗ってみとう。ほうしたら外の皮がずるずるむけちゃって、どんどん取れるじゃん。臭いって聞いてたけんど、それほどでもなかったし、家の台所でやっても後ん困るようのこんもなかったさ。
ほの後、ツルのはじっこを持ってもう一方の手で皮を押し下げると、ぺろっと靭皮がツルの芯から抜けてくるさ。そりゃあ気持ちいいくれえにするっとむけるさね。たまらんよ。
そりょう洗って干したのが上の写真で、こうなるときれえなもんさ。白いけんど緑がかってえて、風が吹くとさらさらゆれて。
すっかり乾いたら取り込んで写真を撮ってみとうさ。色もいいけんどにおいも干し草のようでなかなかいいもんだよ。ほの上つやもあるね。皮だからまだ幅ん広いもんもあるから、適当に細く裂いて糸にするっちゅうわけ。
裂くだけで撚りをかけなんでも織物に使えるらしいけんど、ちっと強くしたほうがいいと思って撚りをかけながら割り箸へ巻いてっとうさ。ちっと湿らせるとすぐつなぐこんができるから、扱いやすいね。本当は繊維の方向を気にしんといけんと思うけんど、皮がついてる段階で上だか下だかわからんようになっちゃったから、しょおんねえ(仕方ない)じゃんね。
次は機織り機で織るこんにするから、楽しみにしててくりょう。
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