「実繰り(綿繰り)」の実演!?
今週のはじめ、平成26年10月26日(日)に館長と実繰りをしました。
当館では富子さんがプランターで昨年から洋棉と和棉栽培していますが、今年は何人かのボランティアさんにお願いして、それぞれの畑や庭で種を植えていただいたので、うれしいことにたくさんの棉の実を手に入れることができました。
まゆこには、これから『昔の主婦のように自分でお布団をつくってみる♪』という企みがあるので、せっせと種を取り除く作業をまずしなければなりません。
午後、エントランスホールに座布団を敷いて「実繰り(地方によっては綿繰りともいう)」という道具を使って、種をとりのぞきました。
ちょうどいらしたお客様に「何をたいへん頑張ってるですか?」と声を掛けられ、作業内容をご説明しましたら、「昔子供の頃、自分のおばあさんが縁側で同じことやっていたのを思い出した!」とおっしゃって懐かしがっておられましたよ♪
収穫した棉を、竹の棒で種と剥がれやすくするために叩いた(館長担当)後、実繰りのローラーに通すと、手前に種が落ち、ワタだけが向こう側に溜まっていきます。
今日は洋種の緑棉をやりましたので、手前に落ちる種が苔類のようなグリーンで綺麗です。
ローラーは横に付いているハンドルを回すと動く仕組みになっていて、ずっと正座して回していると腕が疲れてきます。
棉を叩いてある程度ほぐしてあるので、ローラーの間にスーと綿だけが吸い込まれていき、面白いように手前に種がポロポロと落ちて溜まっていきます。
取れた緑棉の綿は柔らかくてふわふわで、まるで長毛種の猫のような手触りです。
しかし、館長と二人半日頑張ってできた綿の量は実繰りをする際に敷いていた座布団も作れなさそうなくらいの量でした。量ってみると、種取前の棉731gに対して、実繰り後に種の重さは563g、綿の重さ168gに分けられました。
収穫した棉から種を取り除いてみたら、20%くらいの重さになっちゃうんですね。
この作業はずっと同じ体勢で根気よくハンドルを回し続けなくてはいけないのでたいへんですが、少しくらいでしたら、種と綿がわかれて落ちていく様がなんだかユーモラスで、楽しい体験になると思います。
種付きの棉がまだとってありますので、体験ご希望の方はどうぞお電話でご相談ください。(ただし、体験に使うことのできる「実繰り」は1台しかありませんので、少人数でおねがいしますね。)
当館の収蔵品は7500点にも及びますが、道具の中には、文献だけでは実際にその仕組みがどのように動き、使われていたのかよくわからなかったりする場合があります。
ここのスタッフは皆わりと行動派で、「わからないなら自分でやってみよう!」といろいろと試みていることがよくあります。
お客さま方が来館された際、藁や木くず、棉や蚕にまみれた職員がウロウロしていることが多々ありますが、どうぞご容赦くださいませ!
そして興味をお持ちになったら是非声を掛けてみてください、一緒に体験してみましょう!
まゆこ
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