繭は冷凍→天日干し(飼育蚕の繭の処理2)
こんにちは、まゆこです。
今日は、皆さまからの問い合わせの多い質問=「収穫した繭をどのように保存すればよいか」についてお答えしたいと思います。当館での実践方法をご紹介します♪
H26年初秋蚕では、228個を収繭しました。
飼育した蚕が無事に繭を作りひと安心したのもつかの間、そのままにしておけば2週間位で繭の中のカイコガは成虫になり穴をあけて出てきます。そして交尾をし1頭が500粒程の卵を産みます。
学校や自宅で蚕を飼育する人の中には、収繭(しゅうけん)後は繭工作したり、糸をとったりと、繭を原料とした学習を計画していたのに、日程がうまくいかず結局最後は廃棄せざるをえなかったという話がきかれます。
養蚕家の生産した繭は、製糸工場などで出荷後ただちに乾繭(かんけん)されるのですが、一般家庭や当館ではそのような装置は持っていませんので、昨年から行ってきたまゆこのやり方をご紹介したいと思います。
蚕が繭をつくりはじめて10日目に収繭します。(成長が不揃いで繭の作りはじめにバラつきがある場合は、完成した繭に日付等を書いた付箋を貼りつけておくのもおススメです)
収繭は早すぎてもダメです。繭の中の幼虫がしっかり蛹化してから収繭しないと、まだ柔らかい皮膚が衝撃で破れて出血し、繭が汚れてしまうからです。
繭を軽く振ってカラカラという音がしたらしっかり蛹化した証拠ですが、この方法で確かめるのは日数を確認した上で慎重に行ってくださいね。
次に、繭を袋詰めし、3日以上冷凍します。(この作業で、蚕の命は尽きます)
車のフロントガラス上がいつも天日干し場。
そして、天気の良い日が続く日を見計らって、冷凍庫から繭を取り出し天日干しをします。結露による水分の除去と繭中の蛹自体も乾燥させるためです。
冷凍庫から出した時の繭の重さは2グラムくらいですが、日中干しては夜に屋内に取り入れてを繰り返して、1グラムほどの重さになるまで乾燥させればOKです。
あとは、このようにネットに入れて、風通しの良い屋内の壁などにつるしておけば、好きな時に必要な個数の繭を取り出して使用することができます。
ここには平成25年の春蚕のものからストックしてあります。
まゆこはこの壁から、随時必要な繭を少量ずつ取り出しては大切に使っています。
座繰り機で糸をとるようす。
いつでもすぐに使える繭がストックしてあると、社会科見学で触ってもらう真綿(まわた)を都合の良い日に作ったり、座繰り体験をする際に使う繭を5個だけ煮たりと、とても便利です。
困っていた方は、ぜひ試してみてくださいね♪
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