氷削機と氷冷蔵庫
最近は秋雨が続いて少し涼しく過ごせますね。それでも、秋の運動会に向けて練習中の子ども達には、まだかき氷や氷入りの冷たい飲み物が大人気です。
電気冷蔵庫など存在しなかった昔の人たちは、どのようにして冷たいものを味わっていたのでしょうか?
資料館の氷にまつわる道具を探してみました。
明治時代、氷は食品保存の目的よりも先に、冷たい美味しさを味わう食べ物として、庶民の生活に登場したようです。
氷削機(かきごおり機):
明治20年(1887)「氷削機」として特許が取得された道具です。
鉋状の刃がついた台座の上で氷の塊が回転し、スライス状に削りながら氷塊を繰り下げていく仕組みです。 発明された明治20年頃には大衆的な食べ物としてかき氷が認知されていたようですが、ほとんどはこの氷削機ではなく、台鉋(だいがんな)をつかって氷を削っていたそうです。 氷削機が一般化するのは、昭和初期になってから。 資料館所蔵のゴンドラの商標がみえるかき氷機は昭和のものでしょうか。かっこいいですね! しかもこれで削れば、おいしそうなふわふわな舌触りのかき氷ができそうです。
氷冷蔵庫(氷箱、冷蔵箱):
氷冷蔵庫は2段式で中はブリキ・トタン製で、周囲の壁にはコルク粒や鉋屑などが詰められ断熱構造をとっています。
保冷の原理としては現在のクーラーボックスと同じですが、上段に氷1~2貫目(1貫目=3.75kg)を入れ、湿った冷気が下へ流れることで、下段の食品を乾燥させることなく冷やし、美味しく味わえるという仕組みです。
溶けた氷の水を集めて、冷蔵庫の下から流し出す排水機能もついています。
この写真の冷蔵庫には、右側面に現在も豊富地区で営業している「二文字屋」さんの名が墨書されています。
当館では「魚のアジ」と「すいか」を入れていますが、現役中はどのようなものが中で冷やされていたのでしょうか?
今度、買い物に行ったついでにきいてみたいと思います。
昭和30年代後半になると、台所の氷冷蔵庫は製氷機付き電気冷蔵庫に交代していきました。
食材は毎日買いに行くのではなくまとめ買いして保存できるように、また氷も家で作ることができるようになり、冷凍食品も充実していきます。 社会科見学でやってくる小学生たちに、氷冷蔵庫は人気です! 私たちの生活にとても大きな変化をもたらした冷蔵庫の歴史について、小学生たちと面白く語り合えたらいいなぁと思うまゆこです。
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