病気のお蚕さん
今回の記事はスルーという方も多いと思いますが、本日は蚕を飼育していると避けては通れない「蚕の病気」について、当館の実態を記しておきたいと思います。
「表題からして、もうダメ!」という方はどうぞご遠慮ください。
「蚕はとっても弱い生き物。温度や湿度、桑の品質管理など、人間が手厚く世話をしてやらなければ生きることができないのです!」とまゆこはいつも子供たちに説明しています。しかし、どんなに気を配って育てていても、やはり病気の蚕が数頭でてしまう時があります。
いつまでたっても繭をつくらない通称「ごろつき」。このカイコも何らかの病にかかっていることが多いそうです。繭をつくらないまま動き回り、そううち死んでしまいます。
今年の夏は、自由研究の観察用に蚕を差し上げていましたが、もらわれていった蚕たちは無事に繭をつくったでしょうか?
病気に罹った蚕を見つけたら、すぐ隔離するか処分することが必要です。
早急な対処を怠ると、病気に罹った蚕の嘔吐物や糞などからウイルスや細菌が健康な蚕に感染して、飼育カゴ全体の蚕が瞬く間にダメになってしまうことも少なくありません。
当館のブログにも「蚕・病気」というキーワードでアクセスされる方がいらっしゃるようなので、昨年からの飼育経験の中で、発生した病気(病名はわからないですが、何らかのウイルスや細菌におかされているもの)の事例をご紹介したいと思います。そして、病気の早期発見・対処の参考にしていただければと思います。
これまで飼育していた病気の蚕は、下痢や嘔吐の症状があったり、体に黒いシミが現れていました。病名は特定できていませんが、何らかのウイルスにおかされていたようです。
下痢でお尻がただれている。(見つけたらすぐに隔離)
嘔吐している。(見つけたらすぐに嘔吐物とともに処分)
繭を作っている最中に死んでしまった。
まゆこは、3・4齢のうちで特に下痢などの症状が出ていなくても、極端に食欲が無く、他の個体と比べて体が小さい場合は、病気を疑い別箱に隔離して育てています。「おかいこNICU」と呼んで、特別に事務室の机に置いて手厚く世話をしていますが、やはり途中で絶命することが多いです。
その他にも、当館では、蚕の病が蔓延するのを防ぐために飼育箱の清潔を心掛けて、一日に1回は糞や食べ残しをすべて取り除いて、箱の下に敷いている新聞紙もきれいなものに取り換えています。 かわいいお蚕さんが病気に罹ると、本当にせつないですから。
さて、晩秋蚕の飼育が9月に入るとはじまります。次回も病気が発生しないように注意することと、発生した場合の早期発見と早急対処を心掛けなくてはと気持ちを引き締めているまゆこです。
大きくて白く輝く繭を蚕たちに多数つくってもらえるよう、まゆこ、頑張ります!
まゆこ 「ミュージアムキャラクターアワード2014の投票期限は8月29日朝10時まで。あと少し! ベスト8に入りたいよ~ん♪と日々欲深くなっているまゆこです。 今日27日と明日28日が勝負だぜ!と盛り上がって楽しんでいますよ。 票を入れてくださっている見ず知らずのたくさんのやさしい方々、心よりお礼申し上げます。一度、当館へもいらしてください。 まゆこがご案内させていただきます。」、
http://www.museum.or.jp/museum-chara/
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