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2014年5月16日 (金)

回転蔟発明者・齋藤直恵さんについて

こんにちは、まゆこです。

 

「いやぁ、ブログをやっててよかった♪」とつくづく思う出来事がありましたので、お知らせします。

 

以前に、『回転蔟は大正13年~15年頃に山梨県中巨摩郡龍王村の齋藤直恵さんが発明したものである』ということを、まゆこのつぶやきカテゴリーの中で「富子さんの部屋③」の記事に書きました。

大正時代の特許情報を調べて判明したことですが、これまで発明者である齋藤直恵さん個人については手がかりがなく、全く不明でした。

しかし、山梨県人が回転蔟を発明したという事実に、意外にもまゆこの予想を超える反響がありまして、新聞に取り上げられた結果、なんと齋藤直恵さんのお孫さんと連絡をとることができ、ついに当館に来館いただくことになり、お会いすることができたのです!

 

Photo「回転蔟発明者・齋藤直恵さん」

そして、回転蔟の発明者・斎藤直恵さんの在りし日のお姿を撮影した写真をいただくことができました。いろいろとお話を伺うことも出来ましたので、千葉県在住のお孫さんからの情報をもとに直恵さんの足跡をたどってみました。

Photo_5「常設展示室内の回転蔟模型」

(

齋藤直恵(さいとうなおえ)1878~1941

(明治11年3月29日生まれ~昭和16年7月31日没、享年63歳)

 

明治11年3月29日 山梨県龍王村の蚕種家に生まれる。

大正12年12月1日 「格子型蔟用出収繭機」ではじめての特許出願 45歳

 

大正14年11月4日 回転する発想を出願  47歳

昭和4年4月 世界初回転蔟製作販売会社「特許上蔟器製造株式会社」設立 51歳

昭和16年7月31日 龍王の自宅で生涯を終える。  63歳

以上の様な簡単なプロフィールを作ることができました。

  

また、まゆこが調べた斎藤直恵氏の情報とご家族からいただいた資料をもとに、齋藤直恵さんはどんな人であったかを簡単ですが、2階養蚕コーナーに解説文として作成することができました。

 Photo_7斎藤直恵さんはどんな人?

 斎藤直恵(さいとうなおえ)は明治11年(1878)、山梨県中巨摩郡龍王村龍王(現甲斐市)で、蚕種家を営んでいた両親のもとに生まれました。

 直恵は47歳の時、自宅の納屋兼養蚕室で試行錯誤し、現在ほとんどの養蚕家が使用している回転蔟の原型を発明し、「回転する格子型蔟支持枠」を特許申請しました。

 その後、昭和4年4月に甲府市紅梅町13に世界で初めての回転蔟を製造販売する会社「特許上蔟器製造株式会社」を親戚の寺田誠三郎とともに設立し、製造工場は龍王駅前に設置しました。

 

Photo_3

 

「現在も甲斐市に残る齋藤家の納屋兼蚕室」

 そして、甲斐市竜王には、斎藤直恵さんが大正時代に回転蔟を開発した納屋兼蚕室がまだ残っています。平成26年2月8日と14日の山梨県を襲った記録的大雪にも崩れることなく耐えた立派な建物です。

切妻屋根の上には、養蚕家屋独特の換気をよくするための突き上げ屋根を設けています。

この養蚕家屋の様式は、世界遺産候補となっている群馬の富岡製糸場と絹産業遺産群の一つである、明治24年に建てられた「高山社(たかやましゃ)跡」の建物とよく似ています。通風と温度管理に適したこの建築様式は、養蚕教育機関であった高山社が提唱した「清温育」という蚕飼育法とともに、日本全国に広まったそうです。

 

齋藤家の蚕室は、一部ガラス戸の残っているところもあり、回転蔟開発基地であった大正12年頃、この周辺は現在ほど家屋が混み合っていなかったでしょうから、遠くからも目立つくらい大きな建物だったのではないでしょうか。

 

まゆこはこの建物の写真を撮り終えた後、「今から90年ほど前、この建物の中で斉藤直恵さんは回転蔟を発明したのだなぁ」としみじみと感慨にふけっていたら、突然身震いしました。そしてはっと思い立ち、「直恵さん、今もあなたの発明した回転蔟は健在です!百年経ってもずっと使い続けられる養蚕道具のスタンダードになりましたよ!」とこの建物の中で試行錯誤する直恵さんの姿を想像し、思わず声をかけてしまいました。

 

齋藤直恵さんは昭和16年に亡くなっていますから、山梨県内で昭和15年頃には半数の養蚕農家が使用していたことはご存知だったかもしれません。しかし、全国的には昭和30年代に爆発的に使用率が上がったのですから、日本中から特許申請された数ある蔟の中で、回転蔟が上蔟器の王者となった状況を知ることはなかったでしょう。

 

Photo_6

蚕の性質を存分に生かして上蔟作業を著しく効率化したばかりでなく、繭そのものの品質向上にもつながった回転蔟。

 

この養蚕具を発明した齋藤直恵さんという人を、山梨県民である地元の人々がもっと知り、評価してもよいのではないかな?と思えて仕方ない最近のまゆこです。

 

中央市豊富郷土資料館では、今後も齋藤直恵さんをはじめ、日本の近代化と戦後の復興を支えた養蚕業に貢献した地元の偉人たちを積極的に調査・展示・紹介していきたいと思います。

Photo_4「回転蔟と斎藤直恵さんについて、もっと知りたい人は資料館のまゆこにきいてね。いっぱい語っちゃうぞ!」まゆこ

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「シルクふれんどりぃ」の陶芸工房のスタッフで、
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こういうブログがあるのを初めて知りました(^_^;;
時々おじゃましますので、よろしくです。

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シルクの里周辺を中心に、地域のお祭りも積極的に取材していますので、
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