小麦(6)
今日も小麦で作ったもんの話をするじゃんね。小麦がでっかくなって、穂が出てくると、ちくちくする「のぎ」も育ってきてねぇ。麦の間の草取りをしてたっていう記憶はないから、雑草はあんまり生えなかったのかもしれんね。今じゃあ、何を植えても雑草の方がでっかくなっっちもうから、えらくてかなわんけんど。
小麦は、うどんのほかにも薄焼きやらパンやらを作ってもらった思い出があるさ。薄焼きは砂糖が入っていたと思うけんど、もしかしたらサッカリンだったかもしれん。ふくらし粉は、ベーキングパウダーじゃあなくて、重曹だったね。ときどき重曹がちゃんと溶けなんで、ダマになったまんま薄焼きからでてくることもあったさ。つい最近知っただけんど、薄焼きっちゅうのは、煮豆だのふかしたサツマイモだの野菜だの、なんでもそこらへんにあるもんを入れて焼く山梨の郷土料理だってね。ほんじゃあ、私が食べていたのは何かっちゅうこんだけんど、たぶんホットケーキだっとうだね。お母ちゃんは昔、横須賀で海軍鎮守府に勤めていたこともあったから、そこのコックさんが作ってくれた洋食の中にホットケーキがあったのかもしれんね。
パンは前にまゆこさんがブログに書いてた、ゼロ戦パン焼き器のパンだっただよね。七輪の上に材料(たぶん薄焼きと同じ材料)をいれたパン焼き器を載せて、パン焼き器の上にも炭をのっけて上下両方から焼いてたようの気がするよ。厚焼きのホットケーキみたいなもんだから、屋根屋さんだの大工さんだのの職人さんのお茶うけに喜ばれてね、大人にも大人気のお茶菓子だったのを覚えてるよぅ。
話は変わるけんど、サツマイモの粉を練って、その中にサイコロのように切ったサツマイモを入れてふかして作った「さつまのあんびん」ちゅうのを友達の家でよく作っててね。サツマイモの粉は蒸しあがると黒くなるけんど、サイコロ形のいもは黄色だから、うまそうに見えるだよね。これもうちじゃあ一度も作ってもらえなかったから、友達の家でもらって食うのが楽しみだったね。うちのへんじゃあ、サツマイモはたいへん作ってて、出荷もしてただよ。友達が自分のうちの畑にわたしを連れてってサツマイモを掘って、生でかじらせてくれたことがあったけんど、うまくはなかったね。でも近所の子供とうはけっこう生でも食ってたようだったよ。
サツマイモの粉を作るため切って干した
できあがった「あんびん」
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