ワタの話(8)
富子だけんど、えらいもんがふっちゃって困るじゃんね。あれっから1週間もたつに、なかなかもとにはもどらんだよ。店に行ってもろくに売るもんが置いちゃあねえし。弱ったもんどう。
外には出られんから、久しぶりにワタをからかってみとうさ。綿打ちをして、しまっといたのをひっつり出してきて、糸車で糸取りをしてみとうさ。糸車は展示してあるのを使うわけにゃあいかんから、ホームセンターから材料を買ってきて、館長に作ってもらっとうさね。館長は器用だから、こういうときにゃあホントに助かるだよね。
手製の糸車で糸紡ぎをする
館長は苧引き金の研究もしていて、昔の糸取りのことも詳しいから、糸車で糸をとるのもうまいだよね。昔だったら、いいお嫁さんになれるとこだね。
ワタからすーっと糸が出る
糸車を回すと、ワタから繊維がすーっと出てきて、縒りがかかるさね。ずーっと引っ張って1mくらい伸ばしてから、糸車のつむへ巻き付けるっちゅうわけ。ワタから自然に糸ができていくのは、不思議な感じがするさね。手触りも、やっこくてすべすべしていて、絹より優しい感じがするね。柳田国男が『木綿以前のこと』で書いてたように、麻より、絹より、木綿が農民に好まれたって言うのがわかる気がするよ。
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