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2014年1月24日 (金)

中央市の先人が発明した「蔟」

 こんにちは、まゆこです。 今日は、大正・昭和に活躍した郷土の先人をご紹介します。

Dsc_1811 「土橋伴三郎」さん

  こちらは、わがまち山梨県中央市(玉穂地区)の先人で、以前に「大正時代の特許」という記事内でもご紹介した、発明家『土橋伴三郎』さんです。 土橋さんは大正時代に、当時日本の基幹産業であった養蚕業に関わる道具を発明し、大正14年、時の特許局長官より「特許スベキモノト確定シタリ」という特許証を受けています。

Dsc_1807 土橋家に伝わる「特許証」

 日本の特許制度は明治18年からはじまりました。大正10年には先発主義から先願主義(先に発明した人より、先に願い出た者が優先して特許権を取得できる)に移行し、日本中の多くの発明家が競って新発明の登録を出願するようになりました。そして、当時は外国への日本の生糸出荷額が最高潮に達していた時代を反映して、養蚕や生糸生産に関わる道具の開発は、全国各地の発明家注目の的でした。

  土橋伴三郎もまた、大正13年に出願していますから、お国の為日本の近代化に不可欠な外貨獲得の旗手である、生糸の輸出を支える養蚕業に貢献しようと奮起した若者の一人です。

 

 Dsc_1669Dsc_1668

土橋さんが発明し、国に登録された特許の明細書は、国立国会図書館に収蔵され、現在でもその明細書の内容は特許電子図書館IPDLで検索することが出来ます。

 

 しかし、特許証や特許明細書には、当然のことながら発明者の人物像については書かれていません。郷土の優れた先人とは、どのような人であったか? 気になりますね♪ 我が町の先人、土橋伴三郎さんはこの発明をどのように発想し、また特許取得後、この道具は使われたのか? など、俄然、土橋伴三郎さんという人物に興味が湧いてしまいました。 そして、手がかりを求めていたところ、なんとまゆこは土橋伴三郎さんの息子さんにお会いすることが出来たのです。 ヤッター!

 

 当初、特許証に記された場所の現住所を訪ねましたが、もうすでにそこに土橋家はなく、ここでお仕舞かと思われました。が、あきらめきれなかったまゆこはその近辺のお宅に土橋さんの情報をご存じないか、聞き込みを開始。そして意を決した一件目の突撃訪問で、「土橋伴三郎は私の父です」という方と(あっけなく)遭遇できたのです!(オオ、ジーザス!) 

 

 息子さんは「まだ自分が生まれる前、しかも父親の結婚前の事なので、詳しくはわからないのだけれども・・・」と次々と質問するまゆこに申し訳なさそうに答えてくれました。   

 

そのお話によると、伴三郎さんはまだ独身の24、5歳の時に、こうもり傘の形状をヒントにこの道具を発案しました。そして特許取得後は、近隣の若者4、5人を連れ出って、群馬・茨城・埼玉等に、珍どん屋を伴って宣伝しながら販売したというのです! 息子さん宅の玄関には、その際埼玉で買ってきた飛行機の巨大な木製プロペラが飾ってありました。

 

 

Dsc_1895 土橋式上蔟器図面

 

この「蔟(まぶし)」は、さやにカイコを入れた受け皿を吊るし、荒縄をさやの周りに球形になるように張り巡らして営繭場所をつくるものです。この発明は数個つなげて蚕室の天井などにかけて吊るして使えるので、「面積を経済的に使うことができ、使用後は受け皿を外せば、非常に小さくなって収納や運搬にも便利」と特許明細書に記されています。

 

Dsc_1893 土橋式養蚕用上蔟器の使用実例写真(「玉穂町誌」より)

 

最後に、息子さんとそのお嫁さんに「どんなお父さんでしたか?」と質問すると、以外にも、「大変穏やかで、やさしい人でした」とのお答えでした。

 

 まゆこは、血気盛んに田舎をとび出して世界を相手に勝負してやる!という感じの明治生まれの強気な若者を想像していたので、意外でした。「実るほど頭の垂れる稲穂かな」という慣用句そのままの素晴らしいお人柄であったようです。お会いしたかったなぁ♪

Photo まゆこ

 

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