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2014年1月30日 (木)

馬形土製品

現在、ミニ企画展で展示している馬形土製品について説明をしましょう。 

馬形土製品は、土馬(どば)とか、土製馬とも呼ばれています。 5世紀から平安時代頃までみられる、土をこねて焼いて作った小型の馬形製品のことで、素焼きの場合もありますし、須恵器のように釉のかかったものもあります。井戸や河川から出土することが多いのですが、まれに山頂からも出土しています。このため雨が降ることを祈ったり、雨が止むことを祈ったりする祭祀に関係が深いと考えられています。

Photo 展示中の馬形土製品 

神様の乗り物として神格化されてさえいる馬ですが、神様には疫病神もいれば荒神もいます。その荒ぶる神たちの働きである旱天・疫病・災厄を鎮めるために、土馬の脚や場合によっては体までも折ったり壊したりするのです。つまり疫病神の乗る馬自体を疫病神ととらえ、疫病神とその乗馬としての土馬を作り、その馬体を毀すことで速いスピードで広がる災厄や疾病を止めようとしたのでしょう。  

5世紀から7世紀ごろのものは、全国的に分布し、地域色もあり、個性的です。これに対して、8世紀の土馬は、平城京・長岡京・平安京や各地の官衙に集中し、規格・形態もほぼ統一されていて、朝廷のつくりだした祭に用いられたことが想像されます。 

前の時代の土馬が水みちや種々の遺構に存在していて、普通は一体だけ、それもこわされた形で見いだされるのに対し、8世紀の平城京の南端の遺跡の場合は古い川の跡から人形(ひとがた)30点、竈形(かまどがた)100点、人面墨書土器70点とともに馬形180点もが発掘されているのです。これは大祓といった一つの体系を持った祭で使われたということでしょう。  

山梨県でも笛吹市一宮町や北杜市白州町、金峰山山頂などで発見されています。いずれも小型で形はよく似ています。金峰山の例は、頭部と胴部が離れたところから別々に採集されたのに、合わせてみるとくっついたのです。これは、馬に乗った疫病神や荒神の行動を止めるための祭祀を行い、こわされたものだろうと考えられています。

Dscn4652 山梨県史に載っている馬形土製品の図

 今回展示したものは、中央市豊富地区の駒平遺跡の地表面で拾ったものです。本来どのようなところで使われたのか分からないのが残念ですが、県下の他の土馬のほとんどに顔がないのと比べて、顔の部分だけ見つかっているところが特徴的です。

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