昔の防寒と暖房
こんにちは、まゆこです。
十日夜も過ぎ、本格的に寒くなってきましたね♪ 資料館も着々と冬支度の模様替えが進んでいます。
ウィンドウディスプレイも秋から冬の仕様に変わりましたよ!
今回のディスプレイの主役は「夜着(よぎ)」と「掻巻(かいまき)」です。
「夜着」・「掻巻」とは、着物の形をした大型の掛け布団のことで、長方形の布団と違い、襟と袖がついています。 全体に厚く綿が入れてあり、肩が被われて暖かいのが特徴です。
この格子柄の夜着は、寄贈者の祖母が嫁ぐ孫娘のために、昭和23年に嫁入り道具として作ったものです。 お蚕を飼って、繭から生糸をとり、染めて、織って、格子柄の布にしたものを表地としています。 中に入れた綿も、自らの畑で栽培した「木綿」と、繭を煮て作った「真綿」を使用したものだそうです。
当時でも高価な素材であったことはもちろんですが、嫁ぐ孫娘のために、手間暇をかけ、貴い贈り物をしたおばあさんの気持ちがずーんと伝わってくる資料です。 寄贈してくださった方が、「毛布や羽毛布団のなかった時代、たくさんの綿と重みで冬の寒さを防いだのでしょう」とおっしゃっていました。 実際に手に持つと、ずっしりとした重みを感じますが、それ以上に、心の奥底までも柔らかく温めてくれるような、そんな力を感じさせてくれる尊い重みが、この夜着にはあります。
ウインドゥディスプレイの夜着と掻巻の足元に展示してある「行火炉(あんかろ)」の数々は昔の暖房道具です。
電気やガスのない時代、暖房の熱源はもっぱら炭火でした。炭火は行火(あんか)や火鉢(ひばち)に入れて使用します。 そして、炭火から発生した熱を効率的に使うためには、中に木綿や繭から作った真綿を入れて作った厚い布団を上から掛けて手足を温めました。
また、行火炉は布団を被せた形が猫に似ていることから、「猫行火」「猫火鉢」ともよばれていたのですよ!
実は今回のディスプレイの中には、まゆこの遊び心(出来心?)が災いし、猫ちゃんが何匹か紛れ込んでいます。もし、まゆこの遊び心に賛同してくださる方がいらしたら、ご来館の際は玄関わきのウインドゥディスプレイをまずよ~く見て、かわいい猫ちゃんがどこに隠れているか探してみてくださいな♪
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