「のらぼこさん」のその後
こんにちは、まゆこです♪
きょうは、2013年9月13日(金)の記事「今日のおかいこさん(4齢3・4日目)」でご紹介した『のらぼこさん』のその後について、お伝えしたいと思います。
飼育していたおかいこさんのために採ってきた桑の葉に紛れ込んでいた野生のカイコ=「クワコ」。 まゆこは、地元で「のらぼこさん=(野良のおかいこさん)」と呼ばれているのを聞いたことがあります。
真っ白なおかいこさんに比べ茶色っぽいので、気づかずに桑葉と一緒に連れてきてしまいました。 たぶん天敵にも見えにくいようになっているのでしょう。この体色を生かして、上手に枝に擬態したりするそうですよ! 当館に思いがけずやって来てしまったクワコさんですが、これも何かの縁ですから、「のらぼこちゃん」と名付け、どんなまゆをつくってくれるのか、観察することにしました。
「クワコ」は、私たちが飼育しているおかいこさんの祖先にあたります。 5000年以上も前の中国で、この「クワコ」が人間の手によって飼いならされ、「カイコ」となり、養蚕がはじまったとされています。
見た目は、小ぶりで茶色っぽいところが違うだけで、あとはおかいこさんとそっくりなのですが、おかいこさんに比べ、たいへんグルメで桑葉の中でも先端の超柔らかいところしか食べません。 移動するスピードも速く、おかいこさんたちにあげていたちょっと硬い桑葉がお気に召さず、自分の食べたい柔らかい上の方の葉っぱにたどり着こうと、どんどん飼育箱から脱走しようとします。 えさがなくなっても箱の中でじっと待ち、目の前に桑葉が来ないと食べられないおかいこさんとは大違い。 でも、桑葉を食べる速さと食欲はおかいこさんのが上ですが・・・・。
ところが、珍入者の「のらぼこちゃん」は、いま何齢かもわからないし、体色が濃いので、おかいこさんのように体があめ色に透き通ってくる様子もわからず、まゆをつくりはじめるタイミングがわかりません。 なので、紙筒をつくって箱の中に入れておきました。
ある日とうとう朝出勤すると、「のらぼこちゃん」が黄色の糸で、まゆをつくってくれていました。 大きさは、おかいこさんがつくる真っ白な繭に比べ、4分の1ほどしかありませんが、その糸は、飴細工のように透き通った黄色で、見た目はとても上質そうです。
こちらは、自然界と同じように桑の葉を曲げて作っています。おかいこさんに比べて、やはり小さな黄色のまゆです。
この後、どんな成虫が出てくるのか楽しみに待っていましたが、2週間経っても出てきてくれませんでした。 調べたところによると、野外で採集したクワコの幼虫は成虫になる前にかなりの高率で死んでしまうそうです。残念でした。 また、クワコの成虫は、おかいこさんと違って、ビロードのような艶やかな大きな羽を持ち、飛び立つそう。
残念ながら成虫の姿を見ることが出来ず、失敗に終わった「のらぼこちゃん」の飼育ですが、まゆこは、「クワコ」の繭がどんなものか学習できました! これからは屋外で風に揺れるクワコの繭を見つけたら、季節によってはその周辺で成虫に出会えるかもしれませんよね♪
金木犀の香り漂うシルクの里公園周辺の散策が、これから一層楽しくなりそうです♪
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